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米粉で小麦代替も 需要量は増加傾向で推移 食糧需給に不安感

世界的な人口増や昨今のウクライナ情勢などの影響を受け、世界的な穀物価格が上昇している。特に小麦については関連商品の値上がりが顕著になっている。アメリカ農務省が公表した4月の穀物需給見通しによると、2021~22年度の小麦の世界の期末在庫が2億7849万tと5年ぶりの低水準となるとした。なお、他の主要穀物については、トウモロコシは450万t増の3億550万t、大豆は40万t減の8960万tなどとしている。
 今後の世界情勢については、不透明感が漂っていることに加え、東アフリカでは干ばつによる食糧難に襲われており、世界的な食糧需給はひっ迫の度合いを増している。
 一方でわが国の食糧自給率は37%(令和2年度)と依然として低迷を続けており、いかに自給率をあげていくか、わが国の食糧政策のあり方が大きく問われている。特に前述の小麦については自給率が15%と他の作物と比較しても低位な状況となっている。
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 小麦の需給に関しては農水省がこのほど麦の需給見通しを公表した。
 国内産の食糧用小麦の生産量は、令和4年産の作付予定面積21万1000haに直近3カ年の10a当たり収量の平均を乗じた上で、基本計画目標に対する取組を加味し更に食糧用供給割合を乗じて、101万tと見込んだ。これを平成29年からの推移でみると、平成29年85万t、30年70万t、令和元年97万t、2年87万t、3年見込み100万tと、ここ5年間で最も高い数値となっている。
 こうしたなか、小麦の需給ひっ迫などを背景に米粉への期待も高まっている。米粉については、前述の麦の需給見通しのなかで現状が示されている。
 米粉の需要量は令和3年の見込が対前年度比14%増の4万1000t。対前年度比を経年で見ると平成29年度9%増、30年度24%増、令和元年度16%増、2年度前年並みとなっており、増加傾向で推移している。
 主食用米需要が減少傾向で推移するなか、米粉は需要先として重要な存在だ。農水省では、支援策として持続的生産強化対策事業やコメ・コメ加工品輸出推進緊急対策事業などの予算措置をとっているが、米粉用米の生産振興だけでなく、米粉の加工設備への支援、米粉を使った食品の普及に向けた支援など、川上から川下まで、さらなる広い支援が必要となる。

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