「新しい林業」の技術開発へ 林機の遠隔操作化 デジタル化などで戦略策定

森林・林業・木材産業分野の研究・技術開発について、林業機械の遠隔操作化やエリートツリーの活用、デジタル化の推進など森林林業基本計画に盛り込まれた新たな事項を追加した戦略がまとまりこのほど公開された。4月19日に開かれた林政審議会で示されたもの。今回の林政審では、令和3年度の森林・林業白書を金子農相に答申。更に金子農相から林業労働力の確保の促進に関する基本方針の変更についても諮問を実施。今後9月の新たな基本方針公表に向け議論を進めていく。
今回見直された「森林・林業・木材産業分野の研究・技術開発戦略」は昨年6月に閣議決定された新たな森林・林業基本計画に盛り込まれた事項を踏まえ主に次の5つの項目を追加した。
①造林適地の選定=過去文献やレーザ測量などを活用し造林適地を抽出する技術の高度化を推進する。
②「新しい林業」の展開=林業機械の遠隔操作化や成長に優れたエリートツリー等の活用などにより伐採から再造林・保育に至る収支をプラス転換するとともに生産性・安全性の高い「新しい林業」を展開するための研究・技術開発を推進。
③生活関連分野等における木材利用の促進=広葉樹を活用した家具や建具、遊具など生活関連分野等への木材利用の促進に資する研究・技術開発を推進。
④デジタル化の推進=デジタルデータを活用した業務の効率化等に資する研究・技術開発を推進⑤新型コロナウイルス感染症への対応=在宅勤務や地方移住等のニーズが高まった「ウィズ・コロナ社会」に対応するため、新たな木材需要への対応や、都市部住民のニーズを取り込んだ「森林サービス産業」の創出に資する研究・技術開発を推進。
具体的には②の「新しい林業」の展開では、「林業イノベーション現場実装推進プログラム」に掲げる技術開発等を着実に進め、無人航空機等による苗木運搬、伐採と造林の一貫作業や低密度植栽、エリートツリー等を活用した造林コストの低減と収穫期間の短縮、林業機械の遠隔操作化・自動化等の技術開発・普及による林業作業の省力化・軽労化、レーザ測量やDNSS(全球測位衛星システム)を活用した高度な森林関連情報の把握、ICTを活用した木材の生産流通管理等の効率化、技術を提供する事業者の活動促進を図るための異分野の技術探索、産学官連携による知見共有や事業化の推進などを挙げている。
また、今回の林政審では令和3年度の森林・林業白書について答申を行った。今回の白書では、トピックスとして改定された森林・林業基本計画や公共建築物等木材利用促進法の改正などを紹介。更に特集としてはウッドショックへの対応やグリーン成長のカギを握る木材需要拡大と木材産業の競争力強化を取り上げている。
このほか、林業労働力の確保の促進に関する基本方針の変更について金子農相が諮問。次回の林政審から本格的な議論が始まる。今回は、林業労働力の動向を紹介したうえで、主要な課題として、所得向上など雇用管理の改善や事業の合理化、就業の円滑化などを挙げた。雇用管理の改善では、委員からも依然として高い労働災害の発生状況の改善などを指摘する声があった。基本方針については9月の改定に向け今後議論を重ねていくこととなる。
今回見直された「森林・林業・木材産業分野の研究・技術開発戦略」は昨年6月に閣議決定された新たな森林・林業基本計画に盛り込まれた事項を踏まえ主に次の5つの項目を追加した。
①造林適地の選定=過去文献やレーザ測量などを活用し造林適地を抽出する技術の高度化を推進する。
②「新しい林業」の展開=林業機械の遠隔操作化や成長に優れたエリートツリー等の活用などにより伐採から再造林・保育に至る収支をプラス転換するとともに生産性・安全性の高い「新しい林業」を展開するための研究・技術開発を推進。
③生活関連分野等における木材利用の促進=広葉樹を活用した家具や建具、遊具など生活関連分野等への木材利用の促進に資する研究・技術開発を推進。
④デジタル化の推進=デジタルデータを活用した業務の効率化等に資する研究・技術開発を推進⑤新型コロナウイルス感染症への対応=在宅勤務や地方移住等のニーズが高まった「ウィズ・コロナ社会」に対応するため、新たな木材需要への対応や、都市部住民のニーズを取り込んだ「森林サービス産業」の創出に資する研究・技術開発を推進。
具体的には②の「新しい林業」の展開では、「林業イノベーション現場実装推進プログラム」に掲げる技術開発等を着実に進め、無人航空機等による苗木運搬、伐採と造林の一貫作業や低密度植栽、エリートツリー等を活用した造林コストの低減と収穫期間の短縮、林業機械の遠隔操作化・自動化等の技術開発・普及による林業作業の省力化・軽労化、レーザ測量やDNSS(全球測位衛星システム)を活用した高度な森林関連情報の把握、ICTを活用した木材の生産流通管理等の効率化、技術を提供する事業者の活動促進を図るための異分野の技術探索、産学官連携による知見共有や事業化の推進などを挙げている。
また、今回の林政審では令和3年度の森林・林業白書について答申を行った。今回の白書では、トピックスとして改定された森林・林業基本計画や公共建築物等木材利用促進法の改正などを紹介。更に特集としてはウッドショックへの対応やグリーン成長のカギを握る木材需要拡大と木材産業の競争力強化を取り上げている。
このほか、林業労働力の確保の促進に関する基本方針の変更について金子農相が諮問。次回の林政審から本格的な議論が始まる。今回は、林業労働力の動向を紹介したうえで、主要な課題として、所得向上など雇用管理の改善や事業の合理化、就業の円滑化などを挙げた。雇用管理の改善では、委員からも依然として高い労働災害の発生状況の改善などを指摘する声があった。基本方針については9月の改定に向け今後議論を重ねていくこととなる。