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4年産米の適正生産へ 水稲作柄委員会資料から

担い手不足や激しくなる気候変動、米価の低迷など――。年々水稲栽培をめぐる状況は厳しさを増している。生き残るためには年間を通じて選ばれる米づくりが必要となる。なかでも梅雨時期から夏場にかけてはお米にとっても厳しい環境となるため、定温定湿を維持できる保冷庫は強い味方だ。それとともに水稲生産を巡る状況を把握し、需要に応じた生産に取組むことも大切。昨年そして今年の米づくりについて農水省の水稲作柄委員会での資料からみてみたい。

 農水省は、3月16日に開催された「水稲の作柄に関する委員会」の意見を踏まえ、令和4年産水稲の全国農業地域別・都道府県別10a当たり平年収量を決定した。
 1・70㎜のふるい目幅における全国の10a当たり平年収量は、前年産比1㎏増の536㎏。都道府県別にみると、北海道が同4㎏増の556㎏、青森が同1㎏憎の603㎏、埼玉が同2㎏増の494㎏、富山が同1㎏増の547㎏、長崎が同3㎏増の485㎏と、5道県が増加した。
 増加した道県の生産事情をみると、北海道は近年の収量水準が平年収量を上回って推移していることや、冷害による極端な減収のリスクが低下していること、安定生産に向けた栽培技術が定着していることが考えられる。
 青森は、「まっしぐら」の令和3年産作付面積割合が平成29年産比14・5ポイント増78・6%と、収量水準の高い品種への移行が増加傾向にある。
 埼玉は、「彩のきずな」の令和3年産作付面積割合が同11・3ポイント増の22・7%と、収量水準の高い品種への転換が増加傾向にある。
 富山は、品種構成が収量水準の高い「てんたかく」「てんこもり」、同県トップブランドの「富富富」が増加傾向にある。
 長崎は、「なつほのか」の令和3年産作付面積が平成30年産比13・6ポイント増の15・7%と、収量水準の高い品種への転換が増加傾向にあり、令和4年産も同様の傾向になると考えられる。
 また、直近の令和3年産水稲の作柄を全国農業地域別にみると、北海道は作況指数が108の「やや良」。東北は102の「やや良」だが、一部地域(山形)を除き、「平年並み」又は「やや不良」だった。
 北陸は97の「や不良」。関東・東山は101の「平年並み」。東海は98の「やや不良」。近畿は99の「平年並み」だが、一部地域(兵庫)を除き、「やや不良」又は「平年並み」。中国は99、四国は101、九州は99といずれも「平年並み」。沖縄は105の「やや良」だった。

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