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山本製作所がAI搭載の大型汎用遠赤乾燥機ウインディBUILD VDM 発売 〝使いやすく、 高品質〟追求

汎用乾燥機の国内トップシェアのメーカー(山本製作所調べ)である山本製作所=山本丈実代表取締役、本社:山形県天童市=が、業界初となるAI(人工知能)を搭載したBUILD(ビルド)シリーズに大型汎用遠赤乾燥機VDMシリーズ(60/70/80石)を追加発売した。汎用ならではの機能、掃除のしやすさを進化させ〝使いやすく、高品質〟を追求した自信作。

 3月15日には、オンラインにより新製品発表会を開催。鈴木淳・取締役執行役員農機事業部事業部長、松谷俊弘・同副事業部長が出席した。
 初めに鈴木事業部長が挨拶。「世界的に食糧問題の解決が課題の一つになっている。穀物の需要面では開発途上国を中心に人口増や所得向上により、畜産物や油脂類の消費が拡大し、とうもろこし、大豆、なたね等の需要が増加している。また、原油価格高騰や環境への関心の高まりでバイオ燃料と食糧需要との競合も起こっている。このような中、供給面では主要産地の干ばつなどによる減産で需要の増加に追い付けない状況にあり、食糧の安定供給と確保のためには、これらの作物の国内生産を増やしていくことが重要だ。今回発表する新型汎用遠赤乾燥機は、このように注目が集まる転作作物に対応した60/70/80石の最新鋭の大型機となる。これにより汎用型もAI搭載のBUILDシリーズが30石~80石まで全て揃った。業界初である「試運転を自動で行うセルフチェック機能」や「ライスドア」「子実コーン乾燥」の標準搭載などお客様からの要望にお応えする新商品となっている」と述べた。
 続いて、農機事業部技術部の長濱健一郎氏が新商品について説明した。
【開発の狙い】業界初となるAI(人工知能)を搭載したBUILD(ビルド)シリーズの大型汎用機として開発。機能、掃除のしやすさを進化させ、〝使いやすく、高品質〟を追求。また多くのユーザーのニーズに応えるべくラインナップの拡充と乾燥できる穀物を増やした。BUILDシリーズの汎用機ではVAMシリーズ(55/50/45/40/35/30石)があるが、今回のVDMシリーズ(80/70/60石)が加わり、30石~80石のラインナップとなった。
 ※販売目標はVAM、VDM合わせて年間500台。
【主な特徴】BUILDシリーズへのモデルチェンジに伴い、従来機より乾燥が早くAIなどの多彩な機能を搭載。新たにセルフチェック機能を追加し、大幅な機能アップになったと同時に子実コーン乾燥も標準装備。遠隔で確認できる『YCAS』『YCAS+(プラス)』『YCAS++(プラスプラス)』にも対応し大型汎用乾燥機が生まれ変わった。
《生産性》①風胴面積が約20%アップ(乾燥速度は約20%アップ、省エネ性能は約10%アップ)。乾燥時間の短縮と省エネ性を両立、余力ある乾燥能力で予定通りの作業を手助けする②コーン乾燥を標準搭載。1台で籾・麦・大豆・そば・コーンの5役の乾燥をこなす汎用乾燥機。
 ③省エネ機能とAI機能を追加=高品質を追求。張込量を自動で検知し、張込量に応じた最適な風量と温度で乾燥する『自動調湿乾燥運転』『おまかせ乾燥』を搭載し、生産性のアップをサポートする。「おまかせ乾燥」では、張込時の水分ムラを分析することで、自動で「撹拌」→「乾燥」→「休止」→「仕上げ乾燥」を行う(籾・小麦・大麦)。
《安全性》①ライスドアを標準装備(大型機は全高が高いため)。天井に上らずに機体内部に入れて『安全』『簡単』に内部の確認が可能。②乾燥機の中から天井が開けられる構造となっており、乾燥機頭部のメンテナンス及び確認が容易。
《軽労化》①掃除性の強化=風胴部点検窓の数を片側2個から4個へ増やし穀物種類の変更時に、内部の掃除をより簡単に行うことができる。また昇降機入口に関しても工具レスで簡単に掃除が可能。送風機取付台にも掃除窓を追加し掃除がし易くなった。
 ②新機能として『セルフチェック機能』を業界初搭載。これは穀物張り込み前の各動作のチェックをモータやバーナを起動させて、各動作が正常に稼働するかを確認するもの。項目順に温度センサ、水分センサ、排出口、シャッタードラム、張込量、送風モータ、乾燥モータ、送風機、バーナが適正値であるかを診断、全て問題がなければ『完了』が表示される。所要時間は約20分だが、チェックは機械が自動で行うため、作業者は別の作業を行える。
 セルフチェック機能のメリットについては「お客様の試運転は、乾燥機が空の状態で運転ボタンを押してみてモータが回って、バーナが着火するか程度の確認になっていると思われる。そのため、一見問題が無くても、実際に籾を張り込んでの乾燥運転で燃焼エラーが出たり、排出運転でシャッタが開かなかったりといった問題が起こる可能性がある。一方、VDMのセルフチェック機能は、乾燥機が空の状態で各モータの動作と各センサの値が適正範囲にあるかチェックする。本格稼働シーズンに入る前に「セルフチェック機能」を活用すれば、繁忙期に入って「乾燥機を動かしてみたらトラブルが発生した」という事態をほぼ無くすことが可能。事前にトラブルの芽を摘める」と説明した。
《子実コーン乾燥の標準搭載》近年、作付けが増加傾向にある子実コーンの乾燥を2020年リリースの新型汎用機VAMシリーズに続きVDMシリーズにも標準装備した。
【その他】セルフチェック機能は今後、派生型式にも装備予定。ライスドアまでの梯子は標準装備。燃料タンクはオプション。
【本体小売価格(税別)】▽HD―80VDM(80石)=334万円▽同―70VDM(70石)=321万円▽同―60VDM(60石)=308万円。
 閉会の挨拶は、技術担当の松谷副事業部長。「今回発表した新製品『大型汎用遠赤乾燥機VDM』シリーズは当社の大型汎用乾燥機の11年ぶりのフルモデルチェンジ機となる。そしてBUILDシリーズの汎用型として開発チームが一丸となって完成させた自信作だ。是非多くの皆様にご愛用頂きたい」と述べた。

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