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微細な霧を根に噴霧 新しい節液栽培システム ~いけうち~

微細な霧を根に噴霧 新しい節液栽培システム ~いけうち~
いけうち=大阪市西区阿波座=は、微細な霧状の養液を根に噴霧することで作物を栽培する新しい栽培装置「IKEUCHI Ponics(イケウチポニックス)」を開発、本格販売を開始した。装置は養液濃度やpHを自動調整する液肥管理機、養液の噴霧サイクルを管理する制御ユニット、日照量センサー、発泡スチロール製の栽培函、独自開発のスプレーノズルなどで構成。土や培地は使用しない。
 栽培函内には従来の水耕栽培のような湛液部がなく、宙に浮いた状態で固定された作物の根は、函内に充満する少量の霧から養水分を吸収する。緻密な噴霧制御、養液の循環利用も可能で養液ロスが少なく、必要最低限の水量で栽培できる。水資源の乏しい場所でも栽培が可能となり、同社は宇宙空間での利用も視野に入れる。
 同装置を使った栽培では、良質な根が発達することも大きな特長の一つ。作物の根は漂う霧から効率的に養水分を吸収しようと根毛をびっしりと伸ばす。作物の健全な生育には地下部の環境を良好に保つことが欠かせないが、気相100%ともいえる酸素が豊富な根圏環境と根毛の多い良質な根が、養水分の吸収効率を高く維持。根腐れ等のリスクも軽減する。
 培地を使用しないことで連作障害や土壌汚染の心配がなく、植え替え時の廃棄物量や労力が少ない。噴霧サイクルは秒単位で自由に設定でき、樹勢や品質を見ながら、管理方針に基づき日ごとに調整ができる。
 アグロ事業部生産・設計部部長代理の彦坂陽介氏は「噴霧制御により根圏の水分量を定量的に設定できるため、高糖度・高品質の作物が誰でも栽培できる。根の状態が健全だとストレス栽培時に尻腐れのような生理障害が発生しにくい」と話す。
 同社は砂漠地帯の中東・アブダビでの実証実験で良好な結果を得ており、現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究を進めている。

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