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大阪・関西万博「未来の都市」パビリオンが完成!新しい都市像を体験

大阪・関西万博「未来の都市」パビリオンが完成!新しい都市像を体験

 大阪・関西万博で最大級の大きさとなる「未来の都市」パビリオンがこのほど完成しメディアにその内部が披露された(関連記事1面)。
 同パビリオンは未来社会を先取りした展示や体験を集めた未来社会ショーケースに属するもので、サイバーフィールドとフィジカルフィールドが連携、融合し〝都市は誰のために何のためにあるのか〟など、来館者に様々な問いを投げかけながら未来の都市像を共に考えていくものとなっている。
 建物の全長は150m、高さは33m。外装は真っ白なメッシュスクリーンで、人を追いかけるように動き変化する独創的なモアレ模様が特徴的だ。また光触媒によって汚れがつきにくく、NOXをある程度軽減する。さらに足元からは濡れない粒子の細かいミスト。会場の西の端の海辺にあり、眺めがよく夕方は明石海峡に沈む夕日が綺麗で、夜はライトアップが美しい。
 パビリオンの演出テーマは〝幸せの都市へ。中に入ると幅5m、長さ92mの蛇行した巨大なスクリーンが来場者を迎える。そこにはまだ恐竜が闊歩していた時代から、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会へと進む〝いのちの物語〟が折り重なるように映し出される。そしてSociety5.0へ、地球課題を乗り越えて新しい幸せを創り出す都市へと来場者を誘う。
 そこでまず出会うのは4つの不思議なキューブだ。立体的スクリーンに2035年の未来の都市で暮らす人々が映し出され、〝家族との絆〟〝新しい移動や物流〟〝健康と医療〟〝エデュティメント(教育と娯楽を合わせた造語)〟をテーマに未来人との対話が行われる。
 その先にあるのは日立とKDDIによる『Society5.0と未来の都市』。120人が一度に入場できるシアター形式の施設で、2035年の未来に住む子供からSOSを受け取り、未来の課題や選択肢について解決策を選択するシミュレーションとなっている。
 さらに進むと〝ゆめを見た〟をキーワードにSociety5.0での分野別の課題とその解決方法を知り考える空間へ。人の顔を模したオブジェが印象的で、特殊なロボットの頭部に搭乗して未来の都市を散策する。巨大なったり、小さくなったり、空を飛んだり、地下に潜ったりと、ロボットヘッドで未来の産業・社会を仮想体験することができる。
 その後、産業・技術の視点から4つのカテゴリーで都市生活を体現する協賛者による展示エリアとなる。まず『交通・モビリティ』では川崎重工業が乗る楽しさも大切にしたSociety5.0時代のモビリティを展示。また未来の公共交通システム『ALICE Cabin』の実物大モデルを披露。利用者はキャビンに乗り込むだけで、キャビンが最適ルートを選択し自動で乗り継ぎを行って目的地に向かうことができる。
 商船三井はゼロエミッション船『ウィンドハンター』を展示。同船は自然エネルギーである風を捉えてグリーン水素を製造、貯蔵、運搬する未来の船。このウィンドハンター模型と映像を使った体験型アトラクションを展開しゲーム感覚で海運の新たな可能性を学べる。
 関西電力送配電は未来の電柱、『スマートポール』を展示。地域社会の課題解決に資するプラットフォームとしてモビリティ・防災・観光などの用途が期待されるもので、展示では太陽光や風力発電、AIカメラ、LEDパネルによる情報掲出などの実証を行う。
 『環境・エネルギー』では、日本特殊陶業が何処へでも、誰にでも、必要な時に持続可能な資源・エネルギーを届けることが可能となる『自律可搬型循環技術』をアピール。ステージでは水と空気が姿形を変えながら地球の未来を輝かせる様子を演出。さらに無鉛圧電超音波ユニットを搭載した最新技術を披露。立体映像に触れられると体験者のみに声が聞こえる『空中感覚装置』でキャラクター達との触れ合いを提供する。
 カナデビアは、現在と未来、サイバーとフィジカル、人と地球とテクノロジー、それを繋ぎ融合させる象徴として世界樹を中心に配置。来場者は世界樹に設置された体験装置で資源循環によって豊かな未来を生み出す4つのストーリーが体験できる。
 IHIは、没入型映像の『空飛ぶキューブ』を提供。海の中から宇宙、そしてミクロの世界を駆け抜けるドキドキの体験が映像で展開される。
 『ものづくり・まちづくり』では、神戸製鋼所が造形美と精緻な映像演出で体感を提供。社会を支える様々なものづくりの流れを、精巧な機械仕掛けと映像を組み合わせた斬新なポールコースターで表現。現在と未来のものづくりをダイナミックな映像ストーリーで伝える。
 青木あすなろ建設・小松製作所は、自然災害が激甚化・頻発化する日本から『未来の水中工事』を世界に発信。水中施工ロボットのコンセプトマシーンの大型模型と共に3Dディスプレイによる水中施工ロボットが動く水中体験など提供する。
 CPコンクリートコンソーシアムは、CO2を吸収し続ける次世代のCPコンクリートをアピール。来場者はエアシップに乗って、温暖化が進んだ未来と危機を乗り換えた未来を体感。また新素材に触れることもできる。
 そして食と農ではクボタがSociety5.0の世界の食と農業の姿を表現した。展示テーマは「未来につづく、地球と人にやさしいプラネタリーコンシャスな〝食と農業〟」。ステージには未来の農業を実現するための『汎用プラットフォームロボット』を展示し、中央では未来の農家を疑似体験できるシュミレーションゲーム『PLANET KEEPERS』を展開。複数のプレイヤーの選択により未来が変わるマルチエンディングストーリーのコンテンツで、より良い未来について楽しみながら考えることができるものとなっている。

 

未来の食と農を提案(クボタ)

   

 未来人と対話できるキューブ空間

 

120人が入場できるシアター(日立・KDDI)

 

人の顔を模した不思議なオブジェ

未来の公共交通システム(写真提供:日本国際博覧会協会)

 

ものづくり・まちづくり(写真提供:日本国際博覧会協会)

 

 

 

 

 

 

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