クボタ、直進自動操舵機能搭載製品のラインアップを拡充 トラクタ、コンバイン、乗用全自動野菜移植機の新製品を発売

クボタ=鶴田慎哉農機国内本部長、大阪市浪速区=は、GNSSから得られる位置情報を利用して自動でまっすぐに走行・作業ができる「GS(直進自動操舵)機能」を搭載する農業機械のラインアップを拡充。これまでGS仕様がなかった80馬力~105馬力のトラクタと、5/6条刈のコンバインの新製品を今年1月発売。また、2月発売の乗用全自動野菜移植機にも初めてGS機能を搭載した(本紙2024年11月19日/26日号既報)。価格は全て税込み希望小売価格。
農機の操縦時間の多くを占める直進作業をGS機能でアシストすることで、操縦者の負担軽減や作業効率の向上、未熟練者でも精度の高い作業ができるようになるといった効果が期待できる。
【GS機能の概要】設定した始点Aと終点Bを結んだ「基準線」に対して平行になるように自動で方向修正する。また、トラクタ「レクシアGS仕様(80馬力~105馬力)」と乗用全自動野菜移植機はRTK―GNSS(衛星測位システム)アンテナを標準装備(トラクタ「スラッガーGS仕様の28馬力~60馬力」と自脱型コンバイン「ディオニスGS仕様の5条刈・6条刈」ではオプション装備)しているので、基準線に対して誤差±2~3㎝程度のより精度の高い直進作業が可能だ(別途、RTK補正情報サービスの契約および通信端末が必要)。
始点・終点を設定する以外に、方位角(数値)を入力し基準線を作成するモードや、一定距離を直進するとその進行方向の延長線上に自動で基準線を作成するモードもある(乗用全自動野菜移植機を除く)。
KSAS(クボタスマートアグリシステム)と連携した「GSリンク」機能を搭載した製品(レクシアGS仕様とディオニスGS仕様に搭載。スラッガーGS仕様はSL380―600GS3キャビン仕様のみ搭載)でGS作業を行うと基準線が自動的にKSASに登録されるので、次回以降の作業では登録された基準線を呼び出せば、基準線の登録や設定作業を省略することができる(KSAS営農コースの入会が必要)。また、KSASに登録された基準線は「GSリンク」を搭載する他の機種とも共有することができ、トラクタ・コンバイン・田植機で同じ基準線を活用するといった使い方が可能となっている。
新製品の概要は次の通り。
【トラクタ「スラッガーGS仕様」】①型式=▽ホイール仕様:SL280GS3(28馬力)~SL600GS3(60馬力)[9型式]▽パワクロ仕様:SL280GS3―PC(28馬力)~SL600GS3―PC(60馬力)[9型式]②発売時期=2025年1月③価格=481万8000円~。
【トラクタ「レクシアGS仕様」】①型式=▽ホイール仕様:MR800HGS(80馬力)~MR1050HGS(105馬力)[4型式]▽パワクロ仕様:MR800HGS―PC(80馬力)~MR1050HGS―PC(105馬力)[4型式]②発売時期=2025年2月③価格=1313万700円~。
【自脱型コンバイン「ディオニスGS仕様」】①型式=▽DR595GS(5条刈95馬力)▽DR6130GS(6条刈130馬力)[2型式]②発売時期=2025年1月③価格=▽DR595GSが1804万9900円~(キャビン仕様、500㎜幅クローラ仕様)▽DR6130GSが2200万7700円~(キャビン仕様、550㎜幅クローラ仕様)。
【乗用全自動野菜移植機高機能仕様】①型式=SKP―200H[1型式]②主な特長=▽業界最速の作業速度:従来機比20%増の作業速度(0・65m/秒)を実現し、葉物野菜の移植作業をより高能率に行える▽直進操舵を簡単にアシストする「GS機能」:業界で初めて野菜移植機にもGS機能を搭載した。また、条間(苗を植える間隔)を設定し一定に保つ「条間アシスト機能」も搭載。うねが長いほ場でも、作業に不慣れな人でも精度よく楽に移植作業が行える③発売時期=2025年2月④価格=456万5000円。