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水田政策 「骨」をしっかり 2月11日号社説

わが国の米づくり、そして水田をどのように舵をとっていくか。農水省の令和9年度からの方向性が決まった(関連記事1面)。あくまで「方向性」であり今後の議論の行方によって変わる可能性があるが、多くの関係者から懸念の声が上がっていた水田活用の直接支払交付金における「5年の水張り」を求めないとするなど軌道修正を図った点は評価できる。
 一方、懸念事項としては飼料用米の扱いを挙げたい。これまで多くを輸入に頼っていた飼料の自給率向上に繋がり、食料安全保障にも貢献する存在だったが、今回の見直しでは、「飼料用米中心の生産体系を見直す」こととされた。これまで真剣に飼料用米に取り組んできた農家のはしごを外すことにならないだろうか。
 また主食用米については、支援が有機など環境負荷低減を除くとほぼないというところも気になるところだ。以前、日本農業法人協会の齋藤一志会長が農政審企画部会で「農業者数が減少局面となり、この5年、10年で生産量が足りなくなる可能性が高い」との危機感を示していた。そうしたなかで、この方向性で主食用米、そして、米生産自体を守ることができるだろうか。農水省の説明など聞いていると、どことなく「米はあって当たり前」という意識がどこかにあるような気がしてならない。しかし、一度失った米生産の基盤を取り戻すのは至難だ。
 一方、見直しのなかで米の需要拡大のために支援する、とされた新市場開拓用米、輸出用米は絶好調だ。別掲でも紹介している通り、昨年1年間の米(援助米除く)の輸出額は、対前年同期比27・8%増の120億2900万円と大きな伸びを見せている。金額だけでは円安効果を疑う声もあるかもしれないので、数量でもみてみると、令和元年1万7381tだったものが、2年1万9781t、3年2万2833t、4年2万8928t、5年3万7186t。昨年は約4万5000tと毎年2ケタ%以上の伸びを見せている。輸出の拡大に向けては別途「おいしい日本のお米を世界へ!」プロジェクト(関連記事1面)をスタートさせ、生産性の向上に向けた取組を強力に進める、としている。米全体の生産量に占める割合は、まだ決して高いものではないが、日本の米生産を支える需要となることを期待したい。
 今回示された水田施策の見直しの方向性は「水活」が中心だ。しかし、「水田政策」の大枠、すなわち日本の水田農業を「こうしたい」というところが見えてこない。そうした「骨」がないから、どうも場当たり的(水張り要件に反対の声が多いから対応する)ように見えてしまう。今後詰めていくのかもしれないが、やはり水田農業のあるべき姿をしっかり描くことも必要ではないか。

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