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【最新農業技術】バイオスティミュラント(BS)に関する農林水産省の意見交換会が開催|ガイドライン策定に向けた課題と展望

【最新農業技術】バイオスティミュラント(BS)に関する農林水産省の意見交換会が開催|ガイドライン策定に向けた課題と展望
農林水産省消費・安全局農産安全管理課は2月3日、「バイオスティミュラント(以下、BS)に関する意見交換会」を開催した。委員として、日本バイオスティミュラント協議会会長の梶田信明氏、エコラボの大堂由紀子氏、JA全農の小宮山鉄平氏、日本農業法人協会会員の手塚博志氏、生物刺激制御研究会の鳴坂義弘氏、JA全農耕種資材部農薬原体・開発課の森宗孝介氏が出席した。BSは海藻抽出物や腐植物質、微生物を用いた資材で農薬や肥料、土壌改良材のカテゴリーに当てはまらない。
 石岡知洋農産安全管理課長は、「BSは農業現場で非常に期待されている一方で、その効果や安全性をどのように担保していくかが重要だ。これまでBSには明確なルールが無いなかで、まず第一歩として本日の意見を踏まえ、論点を盛り込んだガイドラインを作成したい」と述べた。
 第一回目の意見交換会では、BSに関する課題について意見を交わした。まず、国内でBSの定義が明確でないことが課題として挙げられた。欧米ではすでに確立されているが、日本においてもBSの定義を設ける必要があるとの意見が多かった。また、農薬(特に植物調節剤)とBSの関係について考え方を整理し、事業者の誤解を招かないことが必要とされた。
 ガイドラインの策定については、使用者が適切な製品を選択できるようにし、また事業者が適正にビジネスを行うための指針となることが期待された。一方で、ガイドラインの適用範囲は「BSとして販売される製品」に限定し、従来の農法や慣行農業には影響を与えない形にすべきとの意見もあった。
 BSの効果や表示方法については、事業者が明確にすべきとの指摘があり、事業者には根拠となる試験データや査読付きの学術文献などの確認を求めるべきとの提案がなされた。なお、農水省が提案した「BSを施用した際に植物体内で起こる反応を確認するよう促すこと」については、難解ではないか、との意見が出た。また、効果の検証には研究室の試験だけでなく、実際の農地での試験結果も重要とされ、科学的な再現性を確保するための最低限の試験基準の設定が必要であるとの見解も示された。
 BSの安全性については、事業者に対して製品を使用した農作物やヒトへの安全性の確認を求め、安全性データの提出や成分の明示を求めるべきとの意見が出た。また、輸入されているBS資材が日本の生態系や農業環境に悪影響を与えないよう、水際対策が必要との指摘もあった。
 次回の会合で、ガイドライン案が示される予定。

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