4t新型フォワーダ発売 2.5m前後の幅員走行 電気制御式2本レバー搭載/諸岡
諸岡=諸岡昇代表取締役社長、茨城県龍ケ崎市庄兵衛新田町358=は、林業における運材作業の効率化に役立つ積載量4tの新型フォワーダ「MST40F」を新発売した。同機は作業道2.5m前後の幅員を想定し、走行・作業しやすくなるよう設計。過酷な現場に耐えうるよう足回りを強化したほか、荷台も床面にHARDOXを採用して耐久性も向上させている。
林業機械は大型化が進む一方、地域によっては幅員が3m以上の作業道を作れない現場も存在する。そこで諸岡は全幅を2100㎜に抑えて2.5m前後の幅員でも走行・作業しやすいフォワーダを開発した。
同機の最大積載量は4tで最高速度は毎時11・5kmとクラス最速(同社調べ)を実現。オフロード法2014年基準に適合した高い環境性能を保ちつつ、尿素水の供給が必要ないエンジンを搭載。また、①MST―1000VDLで高い評価を得ている電気制御式2本レバーを採用。手振れ防止のセンターガイド付きでスムーズな操作を実現②デイライト・シーケンシャルウィンカーを初採用。現場の作業者や周囲に稼働したフォワーダの接近や存在を知らせて安全性も向上③長材運搬にも便利なロードデッキを標準搭載など、これまでにない装備を備えているのも特長だ。その他の特長は次の通り。
【生産性の向上】▽荷台の耐久性を向上=荷台床面について耐摩耗鋼板のHARDOXを採用。ポールは高張力鋼板のSTRENX仕様をオプション設定した▽視界性の向上=フラットなエンジンカバーにしたことで運転席からの視界性を向上させた▽荷台後端の面取り=空荷の時の狭い現場でも立木やのり面に当たりにくくするため荷台の角を落としている。また、空車時により小旋回で立木やのり面へのダメージを軽減できるような構造とした▽サブシートの設定=スイッチバックなどの後進でも楽な姿勢で走行可能に▽足回りの強化=履帯の芯金によるフレームの干渉・削れを防ぐために上位モデル同様に後方にもキャリアローラを設定。また、負荷の大きいピボットシャフトのブッシュの材質を変更して耐久性を向上させた。
【メンテナンス性の向上】▽アンダーカバーの強化=過酷な路面走行で油圧ホースや機器類のダメージを軽減するため、フレームの下回りをフルカバー▽エンジン大型サイドカバーの設定=メンテナンス箇所が集中するエンジンサイドを大きく開けてメンテナンス性を向上。また、燃料フィルタもグランドからアクセスしやすい位置に集中配置している。諸岡独自の遠隔管理システム「M―EYE」も搭載。機械の位置情報や稼働状況などがリアルタイムに確認できるので、機械の稼働率向上に役立てたい。
要望に応じてグラップル仕様「MST40FG」もラインアップ。最大作業半径5.2mタイプと6.2mタイプから選択可能で、運搬時の全高を抑えてセルフローダでの搬送が可能となっている。
《MST40Fの主な仕様》▽最大積載量=4t▽走行速度(高/低)=毎時11・5/7.8㎞▽接地圧(空車/積車)=23・1/40・3kPa▽運転質量=5400㎏▽サイズ=全長4885×全幅2100×全高2520㎜▽最低地上高=420㎜▽履帯幅=500㎜▽履帯外側幅=2060㎜▽荷台寸法=内法長2950㎜、内法幅1800㎜▽エンジン=クボタV3307、定格出力52・5kW▽燃料タンク容量=105ℓ▽作動油タンク容量=85ℓ▽排ガス基準=オフロード法2014年規制Tier4Final/StageⅤ。