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6年度補正予算8678億円 スマ農導入に100億円 共同利用施設再編等も支援

 政府は、11月29日開催の閣議で令和6年度補正予算を閣議決定した。総額13兆9433億円でこのうち、農林水産関係は8678億円とした。今回の補正予算では、新たに「新基本計画推進集中対策」を柱に据えたほか、物価高騰の影響緩和対策など計5つを柱に設定。具体的なポイントとしては、スマート農業技術・サービス事業の導入加速化に100億円を計上したほか、ライスセンターなど共同利用施設の再編集約・合理化の支援に400億円を計上している。

 令和6年度補正予算8678億円のうち、公共は3917億円、非公共は4761億円とした。なお、合計額は前年度と比較すると496億円の増加となっている。
 今回の予算は次の5つの柱立てでまとめられている。①新基本計画推進集中対策3037億円(うち、食料安保構造転換対策2537億円)②物価高騰影響緩和対策905億円③「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づく施策の実施④持続可能な成長に向けた農林水産施策の推進⑤防災・減災、国土強靭化と災害復旧等の推進――。
 今回の補正予算の大きなポイントの一つは、現在検討が進められている新たな食料・農業・農村基本計画の推進だ。政府では、令和7年度からの5年間を食料・農業・農村基本法の改正を受けた農業の構造転換の集中対策期間と位置づけており、その実現に向けた予算が今回の「新基本計画推進集中対策」で計上されている。
 対策の内容は主に2つに大別される。一つは地域農業を支える食料供給基盤の強化。具体的な事業としては共同利用施設の再編集約・合理化に400億円を計上した。老朽化した穀類乾燥調製貯蔵施設や集出荷貯蔵施設等の共同利用施設の再編集約・合理化を支援するもの。産地において再編集約・合理化計画(3年以内)を作成。併せて、修繕・更新等に係る積立計画を作成することで支援を受けることができる。補助上限額は年間20億円×3年で既存施設の撤去費用も含まれる。このほか、農地の大区画化等の基盤整備(公共事業)に760億円の内数を計上している。
 もう一つが食料安全保障の強化に向けた構造転換対策。海外依存の高い品目の生産拡大、輸入原材料の国産転換等や生産資材の国内代替転換等、など様々な支援が予定されているが、なかでも特筆すべきは「スマート技術等の実用化、サービス事業体の育成・確保」だ。昨年度の補正予算でも行われた「スマート農業技術・サービス事業の導入加速化」については、100億円を計上。「所要額を計上する補正予算において前年との比較はあまり意味がない」(農水省)というが、前年度補正予算で10億円だったところから10倍に増額しており、今回の目玉の予算の一つと位置づけられる。
 同事業では、スマート農業技術を他品目に適応するための改良、農産物の生産・流通等の方式転換とサービス事業体の事業性の向上を合わせて図るモデル的な取組、サービス事業体の育成・活動の促進や事業環境の整備等を支援する。
 このほか、今年1月に発生した能登半島地震については、災害復旧等事業(公共)に716億円を計上するほか農機、農業ハウス等の再建・修繕等に2億円を計上した。

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