R9年度からPN規制 中環審 十五次答申検出下限の検討も
中央環境審議会は先ごろ、「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第十五次答申)」を取りまとめ、環境大臣に提出した。
この十五次答申では、ディーゼル特殊自動車のPM(粒子状物質)規制について言及している。従来のPM重量を基準とする測定方法では、測定精度の問題により現行規制値からの大幅な引き下げが難しいと説明している。一方で、ディーゼル貨物車やガソリン直噴車で採用されているPN(粒子数)規制については、低排出時でも測定可能であり、欧州の現行PN規制値をPM重量に換算すると現行のPM規制値の10分の1程度になることから、PN規制を導入すべきと結論づけた。
許容限度目標値は次の通りである:
- PM重量:0.015g/kWh
- PN:1×10¹²個/kWh
規制の適用時期は令和9年末までに開始するとしている。
また、答申では今後の検討課題として、以下の2点を挙げている。
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微小粒子状物質等に関する対策
PM重量およびPNの排出実態調査、PNの検出下限を粒径10nm以上とする試験法の国内導入の必要性を検討することが求められている。 -
ブレーキ粉塵およびタイヤ粉塵に関する対策
ブレーキ粉塵およびタイヤ粉塵の試験法を策定するための調査を行い、得られた知見を国連に展開し、国際基準の策定活動に貢献する。また、国内基準の導入の必要性も検討することとしている。