時代に即した商売を 肥料関連2団体総会・講演会業界発展が日本農業発展
全国肥料商連合会(全肥商連、山森章二会長)と全国複合肥料工業会(全複工、溝口達也会長)は9月10日、東京都文京区の東京ガーデンパレスで令和6年度の定時総会及び両会合同の特別講演会、懇親会を開催した。
全肥商連の定時社員総会では、令和6年度事業計画、収支予算案などが決議、承認された。事業計画のうち、国内未利用資源の活用については、引き続きマッチング事業を継続し、状況の進展の把握、賛助会員が有する製品等を中心に会員の役に立ちそうなものの発掘、紹介に努めるなどとしている。
その後、恒例の合同特別講演会。宮城大学副学長の三石誠司氏が「食料・農業・農村の将来を考える」の演題で講演。三石氏は「我々は目の前のことに一喜一憂しがちだが、時間をかけて変わったもの、変わらなかったものの方が大事。どんな組織でも、どういうものが生き残り、どういうものが生き残れなかったのか知ることが重要だ」とし、食・農業を巡って何が変わり、何が変わらなかったか、統計等のデータを示しながら論じた。そして「生き残りの『知恵』」として、コメの使い方の「再考」を挙げ、「アメリカではトウモロコシ、ブラジルではサトウキビの工業利用が進んでいる。これはその地域で農家が最も作りやすいものを作ってもらい、需要を国をあげて作ってきたからだ。わが国で言えばコメの工業利用を進めれば良いのではないか。また、コメは世界でみると、今後5年で700万t超需要が伸びると想定されており、輸出も選択肢の一つだ。ただ、食料自給率が低いことを考えると、何でもかんでも輸出するのではなく、付加価値を高め、高く売れるところに限定すべきではないか」などと述べた。
講演会後は、会場を移し懇親会。始めに山森会長、溝口会長が主催者として挨拶。山森会長は「非常に厳しい令和5肥料年度だったが、これから商系は良くなるのではないかと思っている」。また、溝口会長は「日本経済はデフレからインフレへと大転換が進んでおり、我々もコストカットのようなことではなく、新しい時代に即した商売のやり方が求められていると感じている。肥料業界の発展なくして日本農業の発展なし、日本農業の発展なくして日本の発展なしという強い心構えで会員の皆さんと手を取り合って頑張っていきたい」と述べた。
また、来賓として衆議院議員の宮路拓馬氏、武部新・農林水産副大臣ら議員のほか、経産省、農水省から多数参加した。宮路議員は「生産者の使い控え・買い控えもあったが、生産者としても、価格転嫁できなければ、そうせざるを得ない。今回基本法が改正されたが、今後、適正な価格形成のための新法制定が控えている。生産者が生産コストを価格転嫁できる環境を作ることが、肥料の買い控え・使い控えなく、最大効率で使える状況につながる。農水省や経産省などとも連携し、そうした環境整備に努めたい」とした。
その後、全複工の山本副会長の音頭で乾杯。懇親を深めた。
全肥商連の定時社員総会では、令和6年度事業計画、収支予算案などが決議、承認された。事業計画のうち、国内未利用資源の活用については、引き続きマッチング事業を継続し、状況の進展の把握、賛助会員が有する製品等を中心に会員の役に立ちそうなものの発掘、紹介に努めるなどとしている。
その後、恒例の合同特別講演会。宮城大学副学長の三石誠司氏が「食料・農業・農村の将来を考える」の演題で講演。三石氏は「我々は目の前のことに一喜一憂しがちだが、時間をかけて変わったもの、変わらなかったものの方が大事。どんな組織でも、どういうものが生き残り、どういうものが生き残れなかったのか知ることが重要だ」とし、食・農業を巡って何が変わり、何が変わらなかったか、統計等のデータを示しながら論じた。そして「生き残りの『知恵』」として、コメの使い方の「再考」を挙げ、「アメリカではトウモロコシ、ブラジルではサトウキビの工業利用が進んでいる。これはその地域で農家が最も作りやすいものを作ってもらい、需要を国をあげて作ってきたからだ。わが国で言えばコメの工業利用を進めれば良いのではないか。また、コメは世界でみると、今後5年で700万t超需要が伸びると想定されており、輸出も選択肢の一つだ。ただ、食料自給率が低いことを考えると、何でもかんでも輸出するのではなく、付加価値を高め、高く売れるところに限定すべきではないか」などと述べた。
講演会後は、会場を移し懇親会。始めに山森会長、溝口会長が主催者として挨拶。山森会長は「非常に厳しい令和5肥料年度だったが、これから商系は良くなるのではないかと思っている」。また、溝口会長は「日本経済はデフレからインフレへと大転換が進んでおり、我々もコストカットのようなことではなく、新しい時代に即した商売のやり方が求められていると感じている。肥料業界の発展なくして日本農業の発展なし、日本農業の発展なくして日本の発展なしという強い心構えで会員の皆さんと手を取り合って頑張っていきたい」と述べた。
また、来賓として衆議院議員の宮路拓馬氏、武部新・農林水産副大臣ら議員のほか、経産省、農水省から多数参加した。宮路議員は「生産者の使い控え・買い控えもあったが、生産者としても、価格転嫁できなければ、そうせざるを得ない。今回基本法が改正されたが、今後、適正な価格形成のための新法制定が控えている。生産者が生産コストを価格転嫁できる環境を作ることが、肥料の買い控え・使い控えなく、最大効率で使える状況につながる。農水省や経産省などとも連携し、そうした環境整備に努めたい」とした。
その後、全複工の山本副会長の音頭で乾杯。懇親を深めた。