YAJなど GPEC24に出展 植物工場のソリューション
ヤンマーアグリジャパン、ヤンマーグリーンシステム、ヤンマーエネルギーシステムの3社は、先ごろ東京ビッグサイトで開催された「施設園芸・植物工場展㉔(GPEC)」に出展し、植物工場の生産から出荷までに至る様々な工程のヤンマーのソリューションと、ヤンマーグループが持続可能な社会の実現を目指し進めている、グリーンハウスガス(GHG)・環境負荷フリーの企業活動を柱とした「YANMAR GREEN CHALLENGE2050」の取組みを紹介した。
同社のブースの正面で来場客の目を引き、思わず足を止めさせたのは、トマトの底面給水栽培装置『NSP』で宮城県亘理町の生産者が育てた、たわわに実った見事なミニトマトだった。
今回の出展ブースの責任者、越智高志氏は「『NSP』は、日々の天候変化に合わせトマトが必要となる給水量を自然に供給することで、難しいとされるトマトの給水を〝手間と無駄を省いて誰でも、美味しいトマトができる〟ようにした底面給水栽培装置です」と説明した。
また、「ポイントは〝自然給水〟。植物で蒸散が発生すると、根が培地から水を吸い上げ、毛管現象により吸水シートを伝って貯留槽から培地へ水が供給される。水位が減ると自動で給水を行う。そのため面倒な潅水の量・タイミングは不要。天候や生育段階に関係なく、作物の蒸散に応じて自然給水が行われる。NSP栽培装置では排水がないため、従来の点滴ロックウール栽培と比較して、水と液肥の量を約半分に削減できるため化学肥料の削減にも役立つほか、環境保全にも有効だ。また何より、作物に水ストレスを与えることで、平均糖度をコントロールし、新規就農者でも甘く美味しいトマトが作れる」と説明した。人工光イチゴ栽培用NSPも参考出品されていた。
またイチゴ栽培のトータルソリューションとして、冷風・温風・CO2を株元へ局所施用する『イチゴ局所空調栽培設備』、『イチゴの移動栽培装置』、イチゴのプロジェクトマッピング『スマート選果システム』も紹介。
そのほかスマホでみることができる環境センサ『ハウスファーモ』や近年の酷暑への対策として『細霧システム』も出品。
また、環境に配慮したエネルギーソリューションとして、もみ殻バイオ炭製造装置やバイオガス発電システムなども関心を集めた。