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コニカミノルタ リモセンで営農指導 ドローンで地上計測と高い相関性

コニカミノルタ リモセンで営農指導 ドローンで地上計測と高い相関性

圃場に入ることなく、データに基づいて効率的な営農指導

 コニカミノルタは、JAなどの営農指導員向けに、ドローンで上空から数10‌haの範囲に渡る群落全体の生育状況をリモートセンシングによって把握する方法を提案している。従来は、営農指導員が圃場に入り、葉色/草丈/茎数の調査をしてきたが、1mメッシュで生育マップを作成し、NDVIや植被率を算出するため、営農指導員は圃場に入ることなく、データに基づいて効率的な営農指導を行うことができる。コニカミノルタのセンシング事業本部にドローンのリモートセンシング技術について聞いた。

――御社のリモートセンシングとは。


「上空からセンシングをすると圃場の状態が俯瞰的に把握でき作物の生育状況の違いが分かる。これまで生育調査は、営農指導員が圃場に入って、葉色や草丈、茎数を調査していた。こうした地上計測は精度が高い一方で手間や時間がかかり、広域での生育状況のバラツキを把握することは難しかった。そこでドローンを活用し、約60mの高さから広範囲をカバーするリモートセンシング技術を開発した。現在、JAの営農指導員向けに導入を進めている。既に試験場や営農指導員からは、地上計測と高い相関性がある、と評価されている」

――どのようにドローンセンシングを行うのでしょうか。


「DJI社製のドローン、P4マルチスペクトルを使用する。機体には日照センサ、GPS、マルチバンドカメラが搭載されている。ドローンは毎秒4mで飛行し、1フライトで約8‌haの面積をセンシングする。撮影画像はコニカミノルタ独自の補正技術で解析し、1mメッシュで作物の生育マップを作成し、圃場毎にNDVIや植被率を算出する。また、撮影時の天候や時間、機体の特性の違いを補正することで、安定した測定がいつでもどこでも可能だ。Z―GISに解析結果を保存することで時間経過や年々の変化も確認できる」

――SPADとNDVIの違いは。

「植物の活性度を測定するSPAD(葉緑素計)は、葉を挟み込みこんで行うため、外部環境の影響を受けずに、葉の特定の点を測定する。一方、リモートセンシングによるNDVI解析は、植生の多重反射光や散乱光を計測し、草丈や茎数などの情報を含んでいる。このため、従来の地上計測と非常に近い情報を広域で取得できる」

――衛星のリモートセンシングとの違いは。

「衛星は地上から約1000m離れたところから撮影しているため、60m上空からのドローン撮影の方が精度は高い。コニカミノルタは、群落全体の地上計測結果をリモートセンシングで解釈するため、ドローン撮影が必要だ。しかし、衛星は、手間がかからないなどの利点があり、両者の特徴を補完しつつ活用することが良いと考えている」。

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