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目指せ林業プロ 我が社のホープー 「家族との時間増えた」 栃毛木材工業の永野祐人さん

美容師から林業の道に入って4年目を迎えた

林業歴4年目の永野祐人さん

 今回訪ねたのは、栃毛木材工業=関口弘社長、栃木県鹿沼市下永野777=で働く林業歴4年目を迎えた永野祐人さん(30歳)。当日は大雨にも関わらず、笑顔で応えてくれた。学生時代は部活動でバレーボール部のエースとして活躍していたという永野さん。エースとして仲間を引っ張っていきつつ、皆で一緒に取り組むことの楽しさを味わった。前職では美容師として働いていたという。「元々、身体を動かす仕事が好きで、現場に出て働ける仕事を探していた時に、林業の求人を目にし、挑戦しました」と話す。

自分が作った道で後輩達がより良い感じで作業できれば嬉しい

この仕事はやったことへの結果がすぐに出るのが面白いという永野さん。「今は道づくりをしているが、道が全く入っていない所を自ら切り開いて道を作るのが、難しいと思う半面楽しいところ。全部同じやり方で道を作るのはダメで、地質によって変えていく必要があり、考えながらやっている。また、作った道で後輩たちが安全に作業できることに達成感を感じます。特に雨が降れば道が崩れてしまう可能性もあり、命に関わる仕事なので、細心の注意を払っている。だからこそ、自分が作った道で後輩達がより良い感じで作業できれば嬉しいし、実際に後輩からどこがダメだったと、どこがやりにくかったと指摘してもらった箇所を改善していくのも楽しいです」と目を輝かせた。

"オールラウンダー"に

前職の美容業界では、土日が休みということはなく、気軽に休めなかったそう。そのため、林業業界でも珍しい土日祝日休みを採用しているのも同社に入社する決め手の一つになったと話す。「子供も生まれたばかりなので、仕事が終わればそのまま家に直帰して、毎日子供の成長を見守ることができる。労働時間も7時半から16時15分までと、プライベートの時間を確保できるのはありがたい」と永野さん。それについて同行いただいた関口啓専務は、「元々は土曜日も仕事だった。ただ、勤務体系を一般企業に近づけることで、もっと若い人にも入ってもらえるような労働日数に近づけようとあえて一日の労働時間を長くすることで土曜日を休めるようにした。当初は、生産量があまりにも落ちてきたら元に戻すことにしていたが、寧ろ生産性も上がっているため、5、6年くらいこの体制が続いている。生産量も年間で2万8000㎥となり、成果が出ている。また、平均年齢も30代で、10代、20代の従業員も多く入ってきている」と説明した。
 永野さんには、「会社の中でのびのびとやってくれているし、なんでも器用にこなす、飲み込みも早い。また、後輩の面倒見も良く、将来的には現場でみんなをまとめて引っ張っていく存在になる」と期待を滲ませていた。
 最後に、永野さんは「伐倒してからでないと道も作れないので、次は伐倒をやってみたい。そして最終的には、みんなから信頼されるようなオールラウンダーになり、みんなの命を預かれるぐらいの人になりたい」と、今後の目標を語った。
   ◇ ◇
 本レポートは各地のJ―クレジット発行体を取材した「カーボン・オフセットで森づくり」に続き、各素材生産業者や森林組合などから若手林業従事者を紹介いただき、林業に入った感想などを聞くと共に、各事業体代表者などから人材獲得や育成について取り組んでいる工夫などを聞く。

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