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東京都「ブラキオEX」など導入 12m先の立木も伐倒 安全性と生産性向上に期待 松本システムエンジニアリング

東京都「ブラキオEX」など導入 12m先の立木も伐倒 安全性と生産性向上に期待 松本システムエンジニアリング
松本システムエンジニアリング=松本良三社長、福岡県粕屋郡篠栗町=のロングアーム伐倒機「ブラキオEX」とフェラーバンチャザウルスロボDXシリーズを東京都が「林業先進技術導入事業」により導入した。1月8日に操作説明会を青梅市の山中で実施。同事業を活用して使用する林業経営体がデモを見て安全性と生産性向上の切り札にと期待していた。
 東京都では、令和4年度から林業先進技術導入事業を実施している。この事業は、自力で購入するのが難しい高性能で高額な林業機械を公益財団法人東京都農林水産振興財団がリース契約で調達し、都内で森林整備を行っている林業経営体へ無料で貸し出すというもの。
 東京都は、花粉発生源対策として伐採・利用・植栽・保育という森林循環を促進しており、現在伐期を迎えている森林が都内にあるものの、林業の担い手不足が深刻なことから、高まる木材需要に対応するためには多摩産材を安定供給できる体制の強化が急務となっている。そこで都は同事業などを通じて林業機械等を導入し、林業の生産性や安全性を高めつつ、施業の効率化も進めてきた。
 これまで同事業では、油圧式集材機やタワーヤーダなどが導入されてきたが、これは主に主伐事業での活用を想定したもの。今回は、松本システムエンジニアリングの路網作設、グラップル作業から立木の伐倒作業まで1台で行える強化型フェラーバンチャザウルスロボ(MSE―45FGZX―DX)と、同機を約30分で付け替えでき、建機本体の改造不要で機体のアーム先端に取り付けるだけでロングアーム機になるブラキオEXを導入。これまで主伐事業に参入できなかった林業経営体が活用することで、多摩産材供給量の更なる増加を期待している。
 松本システムエンジニアリングによると、フェラーバンチャザウルスロボDXシリーズは道付け作業を、ブラキオDXはグラップル作業だけでなく2.5mのストロークで建機中心から最長12mの立木を伐倒できる木寄せやチェンソー伐倒の代わりを担える上、約30分で付け替えられ「この組み合わせで1台2役の作業が行える」という(各機のポイントはQRコード)。
 会場には1月12日から使用するロガーワークス(本社:福井県坂井市)の古城達也代表取締役も参加。フェラーバンチャザウルスロボを使用していることから、松本システムエンジニアリングの高下貴史マネージャーと中島晃也氏がブラキオEXの操作手順や注意点を丁寧に解説。ロングリーチゆえに重心バランスの見極めが重要であることから、作業前の現地確認と安全判断の徹底などを繰り返し呼び掛けた。デモを見た古城社長は、「車両系作業システムによる搬出を主としてきたが、搬出効率確保には路網整備が欠かせず、整備・維持にかかるコストと労力が今の課題。ブラキオを活用すればロングアーム伐倒に加え、従来ウインチで行っていた集材作業の対応範囲拡大が期待できる。地拵え時の枝葉整理や足場の悪い箇所での省力化と安全性向上も図れるので、路網に依存しすぎない持続可能な施業を目指したい」と述べた。
 東京都産業労働局農林水産部の鐙美知子森林課長は、「従来の搬出間伐では、作業道を入れてもチェンソーによる伐倒を行っていたため、伐倒木がかかり木になることが多い上、都内の森林の多くは急傾斜であり、作業には危険が伴い手間もかかっていた。今回の機種は、ロングアームの重機にフェラーバンチャの機能を備えているため、キャビンからの操作で安全に伐倒ができるとともに、作業道までスムーズに搬出できるのが魅力」など、生産性や安全性の向上や労働負荷の軽減につながると期待を示した。同社の中島氏は「東京都の取り組みは他の道府県にも良いモデルになる。今後も安全で効率的な作業システムを全国へ広げていきたい」と述べた。

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