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イワフジ工業 AIの適応範囲拡張 次世代型架線集材を実演

イワフジ工業 AIの適応範囲拡張 次世代型架線集材を実演
イワフジ工業=有𠮷実社長、岩手県奥州市水沢字桜屋敷西5―1=は、林業の生産性向上と安全性向上を目指して林野庁補助事業として取り組んでいるAIを使用した「新たな架線集材システム」の開発を進めている。昨年12月に和歌山県西牟婁郡すさみ町太間川地内で現場見学会を開催。業界関係者から自動化が進む森林作業の最前線に熱い視線が注がれた。
 「架線集材システム」は、林野庁の事業を通じて開発され、地元の中井林業(田辺市)の協力で商品化した"和歌山発祥"の林業機械で、油圧集材機と架線式グラップルを一つのシステムラジコンで操作することにより、最少人数で安全かつ効率的な架線集材を実現するもの。同社はこのシステムをさらに安全で効率的な生産を可能にさせるため、令和5年度には集材木を検知して自動で索引込を行うことが可能な「AIマルチワークシステム」、令和6年度では荷掛けから搬送までを自動化し、造材終了の待ち時間を縮減する「自動集材・造材マルチワークシステム」を開発するなど、年度ごとに自動化領域を拡張してきた。今年度はAI自動集材の適用範囲を拡大。また、ワイヤーが安定した状態で集材ができるよう「乱巻き防止システム」を導入し、安全性・生産性の向上と軽労化を目指した開発に取り組んでいる。
 当日は地元林業関係者だけでなく、中部~九州地方の広い範囲から約60名が参加。中井林業のオペレータによる指導のもと、見学者数名が「木を掴み上げ、空中搬送」までを行う操作を体験したほか、開発中のAIを活用して木を自動で発見し、掴み上げ、搬送、安定して地面に木を下ろす一連の集材工程を無人で実施する自動集材も実演。実演時はマルチワークシステムでオペレータが見ているモニター映像や自動集材でAIが木を発見する際の画像認識も大型モニターに表示し、油圧集材機のドラム内でワイヤロープが絡み合う「乱巻き」の予兆となるワイヤロープの弛んだ状態もAIで判別する様子も披露した。
 AIによる位置合わせや自動荷掛け、自動横取りといった一連の動作を最適化することで集材・造材の1サイクル時間が令和6年度開発より31秒短縮できると見込まれるとのこと。また、ワイヤーが常に安定した状態で巻き取られるよう制御することで、トラブル対応による突発的なタイムロスを抑制し、数値上のサイクルタイム以上に実質的な稼働率を底上げする効果が期待される。
 日本の急峻な地形で、架線集材は不可欠な技術でありながら、常に危険と隣り合わせの「3K」職場の象徴でもあった。今回実演したAIを活用するシステムの実現は、作業員不足の解消と、危険な現場から解放して安全な作業の実現へとシフトさせる期待を抱かせた。

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