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目指せ林業プロ 我が社のホープ 技術の取得楽しむ ウッドピアの桝谷征希さん

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とくしま林業アカデミーを卒業後に徳島市内から現在の徳島県美馬市木屋平の林業会社・ウッドピア=松家貞夫代表取締役、徳島県美馬市木屋平字弓道298=に入社して5年目の桝谷征希さん(34歳)。入社と同時に会社から80mほどの場所にある2階建ての物件が空いていると薦められて移住。「正直、徳島市内より居心地がいい」と笑った。
 地元の大学を卒業して建設機械・資材の販売、レンタル、修理を手掛けいる徳島市内の企業に就職。担当したのが全国でも名うての山間部として知られる祖谷エリアだったこともあり、自然の中で仕事をする魅力に引きつけられた。「林業関係のお客さんが実際に木を伐っている姿を見て『カッコいいな』と思ったのがきっかけ。元々技術を身に付けたいという思いを抱いていたので、その2点を実現するため、とくしま林業アカデミーのパンフレットを見て転職を決意しました」。
 食料品は1週間に1回美馬市内のスーパーに買い出しに行けばいいし、標高が高いので扇風機があれば夏も十分、と桝谷さん。仕事の方も「楽しい」と即答する。最もやり甲斐を感じるのが伐倒作業で、「狙った場所に倒せたら腕が上がったなと実感ができ、大径木を倒せば地響きや衝撃を感じ、達成感があります」と話す。ウッドピアでは、〝徳島県の林業3点セット〟と言われる、スイングヤーダ・プロセッサ・フォワーダを平成21年に導入し機械力を強化。桝谷さんもプロセッサでの造材作業が増えているという。「最近はアカデミーで知識として覚えたことを実感として捉えられるシーンが増え、うっすらと自信を感じるようになりました」と話し、下刈りや機械を使った搬出・伐倒など林業に関わる幅広い作業に携わりながら、自身のテーマである〝技術を身に着ける〟ことを楽しんでいるようだった。
 一緒に移住したお母さんも地元の陶芸教室に行ったりキャンプ場の手伝いに参加するなどエンジョイしているというが、桝谷さんも生活スタイルが一変。その一つがアカデミー時代に罠猟と猟銃の免許を取得して始めた狩猟だ。罠を仕掛けて獲った鹿を捌いて食べたり、なめし皮を作ったりと、〝命をいただく〟自然界の循環を感じる都会では味わえない暮らしを満喫している。「林業もそうした自然のサイクルを繋いでいる業務だと思う。国道近くの現場で、皆伐施業を行った後、桜を植林する事業に従事しました。その現場で木が育ち、いずれ桜の花が咲いたりすることを想像すると、地域貢献に携わっていることが実感できて嬉しい」。
 〝森林の理想郷〟との意味を込めて命名したウッドピアは、地域の新たな担い手集団の育成や活性化を図るために第3セクターとして平成6年に設立。旧木屋平村の山主を中心に地域住民等250名あまりが株主になっているのが大きな特長で、I・Uターンや林業アカデミー卒業者を積極的に受け入れている。今年4月には新たにアカデミー卒業生が入社して桝谷さんも指導する側に。「作業について尋ねられた時に具体的な説明ができるよう、より理解を深めていきたい」と述べた。

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 本レポートは各素材生産業者や森林組合などから若手林業従事者を紹介頂き、林業に入った感想などを聞くと共に、各事業体代表者などから人材獲得や育成について取り組んでいる工夫などを聞く。

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