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井関農機22‌年‌上‌期国内外とも増収、営業増益 売上高6.5%増、923億9200万円 下期はBF、大型機で増販 

井関農機(冨安司郎社長)は8月9日、2023年12月期第2四半期決算(連結)を発表した。前年同期比、国内外ともに増収、営業増益。売上高は、前年同期比56億7000万円(6.5%)増加し923億9200万円。うち国内は582億7500万円、海外は341億1600万円。営業利益は同1億7400万円(6.8%)増の27億4100万円。親会社株主に帰属する四半期純利益は同6億3900万円(24・8%)減の19億3900万円。通期業績予想は当初予想から変更なし。

  オンライン発表の席には冨安社長が出席。2023年第2四半期の概況と2023年12月期業績予想を説明した。
 当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、ウィズコロナの下で各種政策の効果もあり緩やかに回復している。一方で、物価上昇や金融資本市場の変動等、先行きには十分注意する必要がある。このような状況の中、井関グループは、国内では顧客対応の充実など農業構造変化への対応強化、海外では主力市場である北米、欧州、アジアでの販売強化に努めた。
【売上高】売上高は前年同期比56億7000万円(6.5%)増の923億9200万円となった。
 国内は同7億3300万円(1.3%)増の582億7500万円。農機製品は価格改定実施に伴う4月以降の反動減や、トラクタ中心に一部生産遅延により減少となった。一方で、収支構造改革の柱である補修用部品及び修理整備等のメンテナンス収入や施設工事の伸長により、国内売上高全体では増加となった。
 海外は同49億3700万円(16・9%)増の341億1600万円。北米はコンパクトトラクタ市場の調整局面が継続し減少。欧州は値上げ後も小売店の需要が堅調に推移したことに加え、前年下期よりIseki―Maschinen GmbHを連結子会社化したこともあり増加した。アジアでは前年同期にあった韓国での排出ガス規制に伴う出荷前寄せの剥落により減少したが、海外全体では増加となった。
【利益】営業利益は同1億7400万円(6.8%)増の27億4100万円。売上増による売上総利益の増加に加え、価格改定効果などにより増加となったが、率改善販管費の増加もあって営業利益の増益幅は縮小した。経常利益はESGファイナンスの組成や有利子負債増に伴い金融費用が増加したことにより、同3億2500万円(9.8%)減の30億300万円となった。なお、為替差益は同約1億円増の8億7000万円、持分法投資損失は1億9000万円(主に東風井関)でほぼ前年並み。
 税金等調整前四半期純利益は同2億8400万円(8.9%)減の29億500万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、同6億3900万円(24・8%)減の19億3900万円。
【バランスシート等】ISEKIドイツの連結子会社化に加え、生産影響に伴う売上げ遅れもあり棚卸資産が増加。前年同期末比160億円増。売掛・買掛のギャップで53億円の悪化、合計213億円について、借入金、純資産の減で賄った形になった。棚卸資産の増加見合いで有利子負債が増加。D/Eレシオは1・04倍。自己資本比率は総資産の増加もあり、32・2%に止まっている。なお、今後は国内製品の売上げ遅れの回復により、棚卸資産が縮減に動いていく。また今回は特に国内だが、4月の価格改定前に1~3月の売上が増加、その未回収分が売上債権の増となっているが、その回収により、有利子負債の縮減が進む。
【キャッシュフロー】営業活動によるキャッシュフローは、償却前利益は前年同期並みも運転資本の増減影響により悪化しマイナス75億円。この営業キャッシュフローの悪化は主に、仕入れ債務の増減が反転したもの。一方で、売上債権の増加は価格改定前の需要拡大を見込み22年後半には原材料の工場仕入れを増やしており、12月末の仕入れ債務水準が高かった反動として売上回収に先行して仕入れ債務の減少が進んだという内容だ。結果、フリーキャッシュフローはマイナス106億円。
《商品別の売上状況・国内》▽整地用機械(トラクタ、乗用管理機など)=129億3100万円(同10・2%減)▽栽培用機械(田植機、野菜移植機)=51億1700万円(同7.7%減)▽収穫調製用機械(コンバインなど)=57億7500万円(同6.7%増)▽作業機・補修用部品・修理収入=214億6000万円(同2.0%増)▽その他農業関連(施設工事など)=129億8900万円(同16・4%増)。
《同・海外》▽整地用機械(トラクタ等)=246億8900万円(同14・4%増)▽栽培用機械(田植機等)=14億6200万円(同18・9%増)▽収穫調製用機械(コンバイン等)=2億3500万円(同87・2%減)▽作業機・補修用部品・修理収入=35億6200万円(同62・6%増)▽その他農業関連=41億6500万円(同77・7%増)。
【2023年12月期連結業績予想】2月に公表した当初予想から変更なし。
 ▽売上高=1765億円(対前年比5.9%増)▽営業利益45億円(同27・3%増)▽経常利益=40億円(同6.3%増)▽親会社株主に帰属する純利益=26億円(同36・9%減)▽1株当たりの純利益=114円97銭▽期末配当(予想)=1株30円▽想定為替レート(下期想定)は1米ドル=140円、1ユーロ=150円。

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