農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

受付時間 平日9:30~17:00

TEL 03-3831-5281

毎週 火曜日発行
 >  > 燃料高騰対策加入過去最高 施設園芸 補填金100億円突破の見込み

燃料高騰対策加入過去最高 施設園芸 補填金100億円突破の見込み

施設園芸等燃料価格高騰対策(旧施設園芸等燃油価格対策)として実施中の施設園芸セーフティネット構築事業の事業参加者が過去最高となったことが明らかになった。令和4事業年度の施設園芸の事業参加者は前年度の約1・2倍となる2万2000者。また茶も1442工場となり過去最高。この結果、補填金についても、100億円を突破する見込みとなっている。

 施設園芸等燃料価格高騰対策の施設園芸セーフティネット構築事業は、燃料価格の高騰の影響を受けにくい経営構造への転換を目的として、計画的に省エネルギー対策に取組む産地を対象に、農業者と国が1対1で積み立てを行い、燃料価格の上昇に応じて補填金を交付するもので、日本施設園芸協会(大出祐造会長)が事業実施主体となっている。
 同事業は、平成24年度補正予算でスタート。近年は、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響により、燃料価格が大幅に高騰するなか、施設園芸及び茶の営農継続に向け、その重要性が高まっていることから令和4年度第2次補正予算で約85億円積み増すとともに、対象をA重油、灯油に加え、LPガス(プロパンガス)、LNGガス(都市ガス)に対象を拡大した(これにより対策名が施設園芸等燃油価格高騰対策から施設園芸等「燃料」価格高騰対策に変わった)。加えて、令和7事業年度まで延長されている。
     ◇
 日本施設園芸協会が報道関係者向けに行った事業成果報告会で明らかにした令和4事業年度の事業の結果によると、施設園芸については、4月と12月に募集を実施(12月はLNG、LPガスのみ)。事業参加者は前年度の約1・2倍の約2万2000者、交付決定額も約110億円と前年度の64億円と比較し約1・7倍にまで増加している。
 茶は農水省の要望に基づき2、3、4月と3回実施。事業参加者は前年度比約2・7倍の1442工場、交付決定額も前年度比約4倍の約12億円に増加している。
 一方、発動状況については、施設園芸はA重油、灯油は、10月の事業開始から5月まで毎月発動。LPガスとLNGは対象が拡大した今年1月から5月まで毎月発動していた。さらにいずれの月も急騰特例措置が適用される状況となっている。また、茶についても、事業実施期間の令和4年4月から10月まで毎月発動され、いずれも急騰特例が適用されている。
 この結果、補填金の交付は、施設園芸は、最新の報告状況の令和5年3月分までで補填金交付額は、約93億円(うち補助金約47億円)となっており、事業年度の終了(令和5年6月)までに100億円を突破する見込みとなっている。また、茶については、約16億円(うち補助金は約8億円)ととなっている。
 なお、施設園芸セーフティネット構築事業は、現在令和5事業年度の公募を実施している。締切は8月15日。対象期間は10月から翌6月までの間から選択することができる。

関連記事

令和12年度の果樹生産数量目標は256万トンに設定|果樹農業振興基本方針で明らかに

今年の夏も熱中症に要警戒

【最新情報】農水省「麦・米の需給見通し」と「米粉の新用途促進」について

農水省が「食料・農業・農村基本計画」答申案を決定!食料安全保障と農業構造改革を推進

農水省が「食料・農業・農村基本計画」答申案を決定!食料安全保障と農業構造改革を推進