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データ連携を加速 オープンAPI活用へ ユースケース取りまとめ 農研機構農業機械研究部門

農研機構農業機械研究部門(安原学所長)は、メーカーの垣根を超えたデータ連携の加速に向け、「農機API共通化コンソーシアム」で、データ連携の効果を農業者が実感できるよう「ユースケース事例集」として取りまとめ公開した。令和4年度の成果。このほか、コンソーシアムではオープンAPI標準仕様書の改訂や現地での実証にも取り組んでいる。

 データ連携において必要となるオープンAPIの整備に向け、令和3年度農水省の単年度事業により、農機メーカー、ICTベンダー、業界団体、大学等を構成員として、「農機API共通化コンソーシアム」を立ち上げ、標準的なAPIの仕様などの検討を進めてきた。
 コンソーシアムでは、4つのワーキンググループ(WG0:将来像WG、WG1:ほ場農業機械、WG2穀物乾燥調製施設、WG3:施設園芸機器)ごとに様々な検討を実施。
 このうち、今年度から新たにスタートした「将来像ワーキンググループ」では、データ連携の将来像の検討を実施。WG1~3の各分野に対し横断的な視点でデータ連携のあるべき姿(将来像)を描き、その実現に向けたステップやユースケースをバックキャスト的に検討した。
 将来像については、①これからのスマート農業(データ駆動型農業)②データ駆動型農業におけるデータ連携の役割(上図)③データ連携を含めたデータ駆動型農業を支える体制④データ連携を進める上でのポイント―の4つに整理。①では、オペレーションの効率化を中心に取り組まれてきたこれまでのスマート農業から、複数のスマート農機等から得られるデータの連携・活用を進めることで、農業者の戦略立案・マネジメント方針の策定まで支援できるようになり経営全体の高度化が図られる―と描いた。
 また、④のデータ連携を進める上でのポイントとしては、「農業者視点での情報管理」「農業経営へのデータ活用が可能な人材育成」「データ提供に関するメリットの提示」「ハード面及びソフト面でのインターフェイス標準化」「農業情報のセキュリティ担保」を挙げている。
 前述の将来像をもとに、データ利活用の価値を幅広く認知してもらうため、大多数の農業者への成功体験の創出を起点として、データ利活用水準全体の底上げを図るようにステップを設定。①「先進的農業者が既に取組、かつ早期の実現が可能なユースケース」への取組により、大多数の農業者への成功体験を創出②データ利活用の効果を感じる農業者が増えることでデータ利活用に対するニーズや期待、市場が拡大③データの量・項目・共有範囲が拡大し、これまで実現できなかった経営効果の高いユースケースの転換が実現――の3つと設定。あわせて①のステップに必要なユースケースについて、選定・策定を行った。
     ◇
 このほかWG1~3の令和4年度の取組としては、前年度に作成した標準API仕様について、充実・改訂を行った。WG1では、コンバインの収量・品質情報(水分、タンパク質など)、ほ場データ(収量の紐づけ先)を追加。WG2では、新たに穀物検査機器について仕様書を作成した。
 また、WGごとに生産現場での有効性検証も行われた。WG1は岡山、埼玉、新潟の3県で実施。岡山では井関農機が、埼玉では三菱マヒンドラ農機がそれぞれAPIを提供しクボタが利用。新潟ではクボタがAPIを提供しウォーターセルが利用。利用側が提供側のデータを確認できるか調べた。また、WG2では、秋田県で山本製作所及び農研機構がAPIを提供、サタケが利用する形で乾燥機の遠隔監視を実施した。いずれも計画通り成功した。
 なお、令和5年度も単年度事業ながら、農水省の事業を受託。引き続き標準仕様の充実改訂を進めるとともに、現地での実証を進める予定だ。

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