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スマート育種など SBIR支援17課題決定

生研支援センターはこのほど、「スタートアップ総合支援プログラム(SBIR支援)」について、令和5年度の採択課題として17課題を決めた。

 SBIR支援は新たな中小企業技術革新制度(SBIR制度:スタートアップ等による研究開発を促進しその成果を円滑に社会実装し、わが国のイノベーション創出を促進するための制度)における指定補助金等の研究委託事業として革新的な研究開発に取り組む研究開発型スタートアップ等による研究開発及びその成果の事業化を支援し、農林水産業・食品産業の政策的・社会的な課題の解決を図るとともにわが国のイノベーション創出を促進することを目的としたもの。

 SBIR支援では、技術シーズの創出から事業化まで4つのフェーズ(フェーズ0:発想段階、フェーズ1:構想段階、フェーズ2:実用化段階、フェーズ3:事業化段階)を設定し、事業化に関する知見・経験が豊富なプログラムマネージャーの支援を受けながら、フェーズごとに設定する目標の達成に向けて研究開発と事業化を進めることが可能となっている。

 令和5年度については、42課題の応募があり、うち17課題が採択された。採択された課題の内訳をみると、研究開発テーマは「農林漁業者の高齢化や担い手不足等、生産現場の課題解消」が4件、「農林水産物の加工・流通の合理化・迅速化」が2件、「農林水産業・食品産業の可能性の拡大と成長の推進」が6件、「農林水産業・食品産業の高い生産性と持続可能性の両立の実現」が5件となっている。また、フェーズごとで見てみると、フェーズ0が6件、フェーズ1が3件、フェーズ2が6件、フェーズ3が2件となっている。
 
 具体的にみてみると、「気候危機・自動化農業に適応する超多収・頑健遺伝子型植物のスマート育種によるプロセスイノベーション」(研究代表:静岡大学・富田因則氏)は、気候変動で損害を被るコシヒカリに、頑健・短強稈(台風・豪雨による倒伏解消、自動化適合、労力軽減)、大粒・多穂・バイオマス増大(低コスト、多収)、早晩性・病害虫耐性(環境適応)の各遺伝子をスマートゲノム育種で組み合わせて新品種を開発し、プロセスイノベーションをもたらすことを目指す。フェーズは2。
 
「カーボンクレジット創出に関わるドローンからの森林資源量解析技術の開発」(研究代表者:DeepForest Technologies㈱・大西信徳氏)では、わが国においてJクレジットの導入で森林のCO2吸収量の増加や森林管理の促進が期待されているなか、低コストな調査方法としてレーザードローンの計測が許可されているが、解析技術が未確立であることからほとんど利用されていない。このため、レーザードローンからJクレジット創出に必要な情報を解析する技術を開発する。

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