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ドローンで「楽粒」散布 1ha2分、隅々まで拡散 北興化学

ドローンで「楽粒」散布 1ha2分、隅々まで拡散 北興化学
(写真説明)短時間で済み、バッテリ消費も少ない

 
 埼玉県加須市で25日、㈱おぐらライスの小倉祐一社長が、北興化学工業の協力のもと、ドローンで水稲一発除草剤「サキガケ楽粒」を散布した。約1haの圃場を中央1往復し、約2分で終了した。バッテリ消費量はたったの10%で、小倉社長は「これはすごい」と驚いていた。

 
   小倉社長(右)と北興化学工業の相馬技術マネージャー 

小倉社長は、水稲では除草剤やカメムシ防除、直播、麦では赤かび病防除にドローンを活用している。水稲では54‌ha(2023年5月現在)の大面積を管理しているため、共同防除での決められた期間に生育ステージを合わせるのは難しく、適期に散布できるドローンは欠かせないという。
 一方、ドローンでは、バッテリの持ちの悪さが悩みの種で、いかに効率よく散布できるかがポイントの一つだ。今年は初めてドローンで「サキガケ楽粒」の散布を試みた。
 楽粒は、北興化学工業が開発した製剤で、10a当たり250g処理で省力、また水面に触れると、界面活性作用で隅々まで拡散するため、ドローン散布では中央1往復で処理が完了する。1キロ粒剤の場合、均一散布が必要であり、何度も往復するのに対し、時間と労力、バッテリ消費も圧倒的に削減できる。また、畦際まで散布せずに済むため、隣接圃場へのドリフトリスクも回避できる。
 「楽粒」の粒は、1キロ粒剤より数倍大きく、粒の形は不揃いだ。同社によると、粒を均一にそろえると、一定の拡散パターンになり、自由度が制約されるのに対し、不均一にすると、四方八方、自由に拡散させることができるという。
圃場に規定量を投入するだけで済み、ドローンの場合、シャッタ開度などの細かな設定も不要だ。
 現在、「楽粒」のラインナップは、「サキガケ楽粒」、「ワザアリ楽粒」の2つ。また、藻を同時に防除する成分を配合した「ノックアウト楽粒」も今年1月に新規登録となった。


     畦から袋のまま散布する処理法も実演

 
 サキガケ楽粒は、3つの有効成分で問題雑草を総合的に防除。昨年、販売を開始し、全国600カ所以上、約300haで様々な散布方法が試されている。ドローン散布以外にも、圃場に入らずに畦畔からの一辺処理や周縁散布、水口施用などもできる。北興化学の相馬正壽技術チームマネージャーは、「1ha未満の小さな圃場も点在するため、ドローンではなく袋のまま散布したほうが効率的な場合がある。1ha以上ではドローンを薦める」と話していた。

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