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天竜林業技術者協会 遠隔操作フォワーダ検討会 

天竜林業技術者協会 遠隔操作フォワーダ検討会 
静岡県林業技術者協会天竜地区林業技術者協会が1月20日、浜松市天竜区佐久間町浦川の民有林間伐現場で現地検討会を行った。会員が所属する企業フォレストテクニック(吉良達社長、静岡県浜松市北区)が諸岡製フォワーダにラジコン機構を搭載した特注機を昨年秋から現場に投入し、作業効率改善に役立つことから披露したもの。丸太の積み込み作業の際にフォワーダとグラップル仕様機を何度も乗り降りせずに済み、「安全面でも貢献できる」と見学者から高く評価されていた。

 林業の機械化が進み、ベースマシンの制御方法もアナログ的な制御からデジタル方式に変化しつつあり、従来では融合が複雑であった技術が簡易に搭載できる時代が到来している。今回実演した遠隔操作フォワーダもデジタル技術を活用して実現したもの。主催者を代表して天竜地区林業技術者協会の高木貴弘会長は「こうした先進的な技術を使って安全性を高め、仕事の効率化について進化させたい」と挨拶。
 実演した遠隔フォワーダのベースは、諸岡が昨年発売した電気制御式の最新型「MST―1000VDL(最大積載量5.5t)」で、フォレストテクニック社が海外製のラジコン搭載を要望して実現した特注機。有人と無人での切り替えをスイッチひとつで行え、前進後進や左右旋回をはじめ、アクセルの調整、パーキングブレーキ操作、緊急停止、警報機、ライト点灯のオン・オフ、荷台のダンプアップといった、エンジンの始動以外はほぼラジコンでコントロールできるようになっている。また、運転席の上に回転灯を設置し、ラジコン操作時には周囲からひと目でわかるよう回転灯が回り、ラジコンの操作方法も実機と同じ操作と、より簡易的な操作ができる2つのパターンをプログラムし、こちらもスイッチで切り替えができるようになっている。
 実演では作業道に置かれた丸太をグラップル仕様機で掴み、フォワーダに積み込む作業を披露。同社ではこうした作業を一人で行っていたが、作業を進めるごとに乗り降りを繰り返していた。だがラジコン操作を付けたことでグラップル仕様機からフォワーダを動かせるため乗り降り回数が激減。作業員の負担が大きく軽減したという。「ベース機が電気制御式になったのでラジコンを楽に付けられ、ラジコン自体の価格も下がっているので低コストで済むようになっている。4カ月ほど利用したが、作業上の煩わしさといった数字上では表れない点が解消され、作業員のモチベーションが変わることが一番大きい」とフォレストテクニックの吉良社長。追従機能があればより便利になると述べた。
 操作した作業員も「積み荷出し作業で多い日では1日30~40回乗り降りを繰り返すので、それが減るのは有り難い。実演中に1本フォワーダの側に取りこぼしてしまったが、そうした際も簡単に移動でき、状況に応じて容易に操作できるのも便利。全てのフォワーダに付けて欲しい」と絶賛していた。
 会場には静岡県や愛知県の林業担当者や素材生産業者が来場。「乗り降りの際に転落などの怪我をするケースも珍しくないので非常に有益」など、総じて高い評価。同社では目視の範囲内で使用しているといい、安全面さえクリアすれば便利な機能となりそうだ。

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