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KSASとレイミーのAI病害虫雑草診断 システム連携へ モニターテスト開始 クボタと日本農薬

KSASとレイミーのAI病害虫雑草診断  システム連携へ モニターテスト開始 クボタと日本農薬
クボタ(北尾裕一社長)は、日本農薬(岩田浩幸社長)のスマートフォン用アプリ「レイミーのAI病害虫雑草診断」(以下、「本アプリ」)のAPI(※)を利用して、営農・サービス支援システム「KSAS」とシステム連携する機能を開発し、プロトタイプ版のモニターテストを今月下旬に開始する。両システムの連携により、病害虫や雑草の発生状況などの診断結果を、ほ場の位置情報や作業履歴などの営農情報とともにKSAS上で一元管理することが可能となる。

 日本農業は、農業従事者の高齢化による離農や委託の増加により、担い手農家への農地集約と規模拡大が加速している。また栽培作物は多様化し、品種も多種多様化している。担い手農家は、規模拡大を図る上で人員の確保が必要になるが、熟練した技術・技能を持った農業従事者の確保は困難になっている。このような市場環境の変化の中、農業の大規模化やコスト競争力強化、農作物の高付加価値化を推進していくためには、AIやIoTなどの先端技術を活用したスマート農業の活用が欠かせなくなっている。
 クボタが提供している営農・サービス支援システム「KSAS」は、ほ場情報や作業履歴、収穫実績、農機の稼働情報等をパソコンやスマートフォン等を使って管理・閲覧できるシステム。作物・作業情報の見える化を通して、安心・安全でおいしい農作物を効率よく生産することをサポートしている。
 また、日本農薬が提供しているスマートフォン用アプリ「レイミーのAI病害虫雑草診断」は、農作物に被害を及ぼす病害虫や雑草を、写真からAIが診断する防除支援ツール。経験の浅い農業従事者でも簡単に病害虫や雑草の発生を把握することが可能だ。表示された診断結果から利用者が選択した防除対象に有効な防除薬剤の情報を提供する。
 KSASが日本農薬の「レイミーのAI病害虫雑草診断」のAPIを活用してシステム連携することにより、診断結果のデータをほ場に紐づいた日誌として自動で「KSAS」上に保存できるようになる。記録作業の省力化に加え、データを一元管理することにより、ほ場ごとの病害虫雑草発生状況の分析や経年比較などが容易になる。
 このほど両社のシステムを連携する機能のプロトタイプ版を開発し、今月下旬からモニターテストを開始する。正式なサービス開始に向けて、ユーザビリティの評価と診断精度の検証を行う。
 モニターテストの実施期間は2023年1月~12月。対象作物は、水稲、野菜。2社の主な役割分担について、日本農薬は「レイミーのAI病害虫雑草診断」のAPI提供、モニターテストの支援。クボタは、営農・サービス支援システム「KSAS」の提供、プロトタイプの開発、モニターテスト参加農家の選定、モニターテストの実施。
 ※APIは、アプリケーション・プログラミング・インターフェースの略称で、システム間連携を容易にするために、連携のルール・仕様を定義し、一部の機能を効率的に共有できる仕組みをいう。
 なおレイミーのAI病害虫雑草診断アプリは診断対象作物を拡大しており、現在は15作物(水稲、キャベツ、はくさい、レタス、ブロッコリー、ねぎ、トマト、きゅうり、なす、いちご、こまつな、チンゲンサイ、だいこん、かぶ、カリフラワー)の診断ができる。
 アプリは、同社とNTTデータCCSが共同で開発。また、日産化学、日本曹達、三井化学アグロ、エス・ディー・エス バイオテック、丸和バイオケミカルも農薬の製品情報を提供している。

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