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遠隔監視ロボ普及へ 労働生産性向上で 新たな営農モデル構築

遠隔監視ロボ普及へ 労働生産性向上で 新たな営農モデル構築
SIP「スマートバイオ産業・農業基盤技術」スマートフードチェーン研究コンソーシアム(代表:農研機構)は12月15日、埼玉県鴻巣市の農研機構農業機械研究部門附属農場及びクレアこうのす鴻巣市文化センターで「SIPフォーラム2022」を開催した。当日は定員を超える170人が参加。SIP第2期(2018―2022年度)で研究が進められている遠隔監視型ロボット農機の現状などについて情報共有を行った。

 今回のSIPフォーラム2022は「車両系ロボット農機を基軸とする農作業のスマート化、そしてDX化」がテーマ。
 はじめに鴻巣市にある農研機構農業機械研究部門の附属農場で実演会。開催にあたり、SIP「スマートバイオ産業・農業基盤技術」スマートフードチェーン研究コンソーシアム研究代表で、農研機構本部NARO開発戦略センター長の原田久富美氏が挨拶。「SIP第2期では、スマート生産技術の研究として、デジタル技術、ロボット技術を積極的に活用して、遠隔監視型の無人自動走行システムを開発。これによって、抜本的な労働生産性の向上を実現し、収益性の高い新たな営農モデルを構築することを目標に検討を進めてきた。今回の実演会で披露する技術はまだ生まれたばかりの段階と認識しており、本格的に農業現場で使っていただける技術に成長させていくため、皆様方から率直なご意見、そしてご感想を頂きたい」と述べた。
 実演では、①ロボット田植機と無人軽トラックの連携による田植作業②〝ほ場周辺監視〟型ロボットトラクタと計量機能付きブロードキャスタによる高精度可変施肥作業③〝遠隔監視〟型と〝ほ場周辺監視〟型ロボットトラクタによる連携作業④遠隔監視システムと環境認識機能を付与した無人自動走行―の4件を実演。
 その後、会場をクレアこうのす鴻巣市文化センターに移しシンポジウム。はじめにSIP「スマートバイオ産業・農業基盤技術」プログラムディレクター小林憲明氏が挨拶(原田氏が代読)。また、来賓として農水省大臣官房技術総括審議官兼農林水産技術会議事務局長の川合豊彦氏が挨拶(農林水産技術会議研究総務官山田広明氏代読)。小林氏はSIP第2期での研究の方向性などを紹介したのち、「今年度は最終年度となるが、遠隔監視型ロボット農機の社会実装に向けて農研機構を中心とし、 農業機械メーカーなど関係各位が協力関係を維持・構築しつつ、 技術移転やさらなる実証・改良を図るとともに、社会制度構築に向けた取り組みを継続することを期待している」と述べた。また、川合氏は「担い手への農地集積を推進し、経営規模を拡大していくなかで、SIPにおいて開発された遠隔監視型ロボットトラクタによるほ場間移動を可能とする完全無人走行システムは、今後一層重要になってくる技術であると考えている。今後農水省では遠隔監視型ロボット農機の実用化に向けたルール作りなど環境整備を進めながら産学官で連携して、遠隔監視型ロボット農機の実用化・普及の後押しをしていく」と述べた。
 シンポジウムでは、自動運転路線バスの運営等のサービスを展開するBOLDLY執行役員の田口貴之氏が「路線バスの自動運転に向けた取組、現状そして課題」と題し基調講演。一般講演では、SIPによる〝遠隔監視〟型ロボット農機の社会実装化に向けた取組と題し、SIPで進められている研究成果を4人の研究者が報告した。
 最後に農研機構の久間和生理事長が挨拶し閉会となった。

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