農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

受付時間 平日9:30~17:00

TEL 03-3831-5281

毎週 火曜日発行
 >  > フェスタカワサキ’22 みどり戦略対応の提案も カワサキ機工

フェスタカワサキ’22 みどり戦略対応の提案も カワサキ機工

カワサキ機工=川﨑洋助社長、静岡県掛川市=は、11月4~5日、同社特設会場で2022フェスタカワサキを開催、2日間で約2000名が来場した。乗用型摘採機、防除機、茶園管理機のほか蒸機、複合型水乾機等を展示、また『みどり食料システム戦略』に即した蒸気除草機、エロフィン火炉などの機械も出展、茶畑から消費者まで一連の機械群で提案した。

 今回、同社が前面に打ち出していたのが、環境保全。国が打ち出した『みどりの食料システム戦略』にも合致した、蒸気除草機と低燃費で環境負荷の低い新方式の熱風供給装置『エロフィン火炉』だ。
 お茶の輸出は右肩上がりで伸びており、有望な分野だが、これには海外の農薬残留基準に抵触する心配のない有機栽培が推奨されている。その有機栽培の課題の1つが手間のかかる除草だ。カワサキ機工では、鹿児島県農業開発総合センター及び伊藤園と共同で乗用型蒸気除草機を開発、このほど『KJW8』として参考出品、実演も行って関心を集めた。蒸気となる水のタンクは400ℓ。処理能力は10a当たり約30分。かなりの蒸気が出ているように見えたが、タンク満タンで3~4時間蒸気を出し続けることができるという。1回で約60aを処理可能。燃料は重油及び軽油。
 また実機近くではパネルで蒸気除草3日後の様子と雑草重量の推移のグラフを掲示し、高い効果を実感させた。
 また、今回、低酸素社会の実現と燃料費高騰への対応として、カワサキ機工が提案したのが、同社が茶業界に初めて持ち込んだ新方式の熱風供給装置『エロフィン火炉』だ。「これは従来の熱風発生器に変わる熱風供給装置で高温蒸気の通った熱交換器に冷風を当て熱風を作りだすため、均一な熱風が生成できるのみならず、効率は10%向上し、省エネとなる(重油仕様では省エネ化約10%、CO2を約10%削減可能、ガス仕様では省エネ化約20%、CO2を約25%削減可能)。また、熱交換器で発生したドレン水を回収してボイラーの供給水にできるため、ボイラーの使用水量を削減しながらボイラー効率も向上。さらに熱源のボイラーを製茶機械から離れたところに集約でき設置も省スペース」と説明していた。
 このほか、スマート農業に対応する「渡歴茶クラウド」も紹介した。渡歴茶クラウドはカワサキ機工が運営するシステム「カワサキスマ―トコネクト」の機能でトレーサビリティの管理をクラウド上で行うアプリケーションだ。クラウド上で動作するため他社のクラウドシステムとデータのやりとりが容易にできるという利点を活かし、ライブリッツ㈱の農業日誌アプリ「アグリオン」やJA鹿児島経済連の「茶れきくん」などのクラウドシステムとも連携。カワサキ機工では今後も他社のクラウドシステムとの連携を増やす予定だ。

関連記事

〝チャレンジ〟掲げ新生諸岡始動 35年ぶり社長交代 海外、国内林業部門強化へ

〝チャレンジ〟掲げ新生諸岡始動 35年ぶり社長交代 海外、国内林業部門強化へ

アイデック 安全講習会で講演 安全な草刈りをサポート

アイデック 安全講習会で講演 安全な草刈りをサポート

ビコンジャパン GPS連動型スマート農機 畑作「三種の神器」 機能拡張しより使いやすく

ビコンジャパン GPS連動型スマート農機 畑作「三種の神器」 機能拡張しより使いやすく

サタケに知財功労賞 商標を活用した戦略評価

サタケに知財功労賞 商標を活用した戦略評価