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静岡県、水田の温室効果ガス削減へ  ドローンで稲わら分解促進剤省力散布 ヤマハが協力

静岡県は10月24日、袋井市大野2カ所の圃場で、稲わら分解促進剤「アグリ革命アクア」をドローン「YMR―08」で散布し、水田温室効果ガスの削減に向けた実証を行った。水田から発生する温室効果ガスの約70%がメタンであり、その発生源が稲刈り後に水田に残る稲わらであることから、同県は「秋耕」と「稲わら分解促進資材」の活用を検討し、静岡県内4地域を実証圃場として行う。併せて、ドローン散布を活用して、水田管理における省力化を実証する。

 実証は、袋井市内の少し離れた2カ所(24aと25a)の圃場で実施。ドローン機体は、ヤマハ発動機のYMR―08。散布作業は、西日本スカイテック静岡営業所が行った。
 散布した稲わら分解資材は、「アグリ革命アクア(液剤タイプ)」の100㎖/10a。希釈濃度と散布量は、2圃場でそれぞれ8倍液0.8ℓ/10aと16倍液1.6ℓ/10aを試した。薬液調整時間は、約4~5分、タンクへの注入が約30~45秒で、薬剤時間は4~5分と短時間で終了し、その後耕起作業。
 実証圃場の安間農園の安間洋一さんは、「台風などの大雨が降ると、稲わらが寄ってしまったり、分解されずに春先まで残ってしまうことがある。稲わら分解促進剤で、春の耕起がきれいにできるようになれば嬉しい」と感想。また「ドローンなら短い時間で散布できる。水田面積も大きいので、少しの努力でできるなら、みんなで取り組んで、なるべく発生しないようにしていきたい」と話した。
 静岡県経済産業部農業局農芸振興課水田農業班の吉坂班長は、「メタンガス発生削減効果については、水田土壌中の有機物調査を実証前と実証後期の2回実施して、有機物由来の炭素量を比較する。稲わらを置いたままにしておくと、台風で飛んだり、流されたりしてしまうので、できる限り早く秋耕をしてもらいたい。今年は大きな水害もあったが、水路に稲わらが詰まると大変な作業になる」と話した。
 ヤマハ発動機・農業アドバイザーの宮田氏は「ドローンの活用の幅が広がるよう、我々も協力していきたい」と話していた。
 アグリ革命は、酵素の力で稲わらを分解し、土壌環境の影響を受けず、低温でも効果を発揮する。稲わら分解材には、石灰窒素や微生物資材などもあるが、酵素資材は「アグリ革命」のみ。細粒タイプ(2㎏/10a)と液剤タイプ(100㎖/10a)があり、液剤タイプのアグリ革命アクアは、散布機に合わせて自由に希釈ができ、田んぼが乾いていても散布できる。

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