農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

受付時間 平日9:30~17:00

TEL 03-3831-5281

毎週 火曜日発行
 >  > 27回テクノフェスタ 開発賞3社が講演 知財戦略で基調講演も

27回テクノフェスタ 開発賞3社が講演 知財戦略で基調講演も

27回テクノフェスタ  開発賞3社が講演 知財戦略で基調講演も
農業食料工学会(井上英二会長)は11月11日、オンラインで農業食料工学会シンポジウム第27回テクノフェスタを開催した。今回のテーマは「農業・食料分野における研究開発の戦略的マネジメント」。当日は開発賞受賞講演のほか、「研究開発における知財戦略の重要性」と題した基調講演が行われた。このほか5分科会に分かれ、講演等が行われた。

 テクノフェスタは農業機械、施設、農業機械化等関係の技術者、研究者の技術力向上並びに交流と親睦のため1996年度から開催されているもの。昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症対策のため、オンラインでの開催となり、海外からも含め約330人が参加した。
 当日は始めに井上会長が挨拶。「今回のテーマは『農業・食料分野における研究開発の戦略的マネジメント』とし、鮫島正洋氏に知財戦略の重要性について基調講演を頂く。また、従来通りの開発賞特別講演や分科会も開かれるが、例年になく盛りだくさんな内容となっている」と述べた。
 また、テクノフェスタに協賛している農研機構農業機械研究部門で所長を務め、農業食料工学会の副会長も務める天羽弘一氏も挨拶に立ち「知財戦略は民間企業においては、広く取り組まれているが、アカデミアや試験研究機関ではこれまで必ずしも強く意識して研究開発が行われては来なかったのではないか。また、考える機会も少なかったのではないかとの反省もある。近年、単に知財を出願するだけでなく、その周りの知財との組み合わせやその後の維持などについても確認することが求められている。基調講演では今後の研究開発に必要なお話しが聞けるものと期待している。テクノフェスタを通じ得られた情報やアイデアが新たな研究開発活動のきっかけになるなど有益なものとしてほしい」と述べた。
 その後、先ごろ公表された農研機構農業機械研究部門機械化連携推進部の志藤博克氏を座長に2022年度「開発賞」の各受賞者による講演が行われた。
 開発特別賞のヤンマーアグリは開発統括部作業機開発部ハーベスタ第一グループの阿部大介氏が「日本の転作を牽引する雑穀専用コンバインの開発」として講演。阿部氏は食料自給率が伸び悩む中、生産力の維持・増加のためにはとうもろこしや大豆など雑穀への転作が重要な課題解決の手段であるが、その増産にあたっては収穫機への投資が課題だと指摘。45馬力の価格で120馬力相当の能率があがる雑穀専用コンバインを開発した。開発したのは70馬力クラスの雑穀専用コンバイン「YH700M」。70馬力クラスながら、120馬力クラスが持つ雑穀用キット(ビーンキット、そばキット、コーンキット、大豆直接排出キット等)がすべて設定されている、などとしたうえで、ロークロップヘッダー、コーンヘッダーの特徴などを説明した。
 このほか、開発賞受賞者として、井関農機の川端英臣氏が「業務用システム炊飯機 AR5シリーズの開発」、クボタの木下健太郎氏が「えだまめコンバインEDC1100の開発」について講演した。
 基調講演は弁護士法人内田・鮫島法律事務所の鮫島正洋氏で「研究開発における知財戦略の重要性」がテーマ。
 続いて1部と2部に別れて分科会。各分科会のテーマは次の通り。
 ①自動運転分科会・情報連携システム分科会(ITメカトロ部会・農業IT検討委員会)=施設園芸における自動運転とITの融合②生物資源分科会(生物資源部会)=「分散型資源」×「生物資源利用」×「地産地消」③国際交流分科会(国際交流委員会)=アジアにおける持続的な農業・食料供給システム④フードチェーン分科会=フードチェーン全体による米粒・米粉の品質・加工制御と用途拡大⑥農業機械分科会(農機部会)=農業機械及び機械作業を支える新技術。

関連記事

〝チャレンジ〟掲げ新生諸岡始動 35年ぶり社長交代 海外、国内林業部門強化へ

〝チャレンジ〟掲げ新生諸岡始動 35年ぶり社長交代 海外、国内林業部門強化へ

アイデック 安全講習会で講演 安全な草刈りをサポート

アイデック 安全講習会で講演 安全な草刈りをサポート

ビコンジャパン GPS連動型スマート農機 畑作「三種の神器」 機能拡張しより使いやすく

ビコンジャパン GPS連動型スマート農機 畑作「三種の神器」 機能拡張しより使いやすく

サタケに知財功労賞 商標を活用した戦略評価

サタケに知財功労賞 商標を活用した戦略評価