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ドローンの適正使用  現状と課題を共有 JCPA 農薬工業会

JCPA農薬工業会(本田卓会長)は、10月26日、オンラインで「生産現場におけるドローンの適正使用」に関する講演会を開催した。同会のスチュワードシップグループが主催し、ドローン散布が進む中、農薬使用に際し、責任ある行動を呼びかけた。当日は、ドローンの関係団体・企業が情報提供を行うとともに、傾斜地での果樹防除等について課題などを共有した。

 農水省農産局技術普及課農業支援サービスユニットの穴井達也氏は、農業用ドローンの普及計画(平成31年~令和4年)や官民協議会の取組みを紹介。農薬散布では、散布面積100万haへの拡大に向けて、ドローン散布に適した農薬を拡大しており、令和4年3月時点で404剤が追加登録された。また令和2年度のドローンによる農薬散布面積は11万9500ha(令和3年度の散布面積は、従来の方法で把握できないため、新たな方法を検討中)。
 なお、改正航空法と農業分野への影響については、レベル4飛行(有人地帯での補助者なし目視外飛行)実現に向けて、今年12月に航空法が改正され、機体認証、操縦ライセンスが創設される。現行制度での農薬散布は、飛行ごとの許可・承認が必要だが、取得した場合、どの程度手続きが簡略化されるかどうかは、国交省が11月中に通達する。なお、操縦ライセンスを取得しなくても、従来通りの方法で農薬散布できると説明した。
 次に農林水産航空協会の五月女淳氏が、空中散布における散布装置や無人ヘリでのドリフト対策等を説明。農薬の現地混用についても物理性調査や粒子測定を要望に応じて行っている。無人ヘリ防除における農薬使用形態の調査では、1製剤単独の使用率は68・9%で最も多く、2種類混用は28・7%、3種類混用は2.4%だったことなどを紹介した。
 DJI JAPANの金氏は、自動航行技術を備えたDJIのドローンは、現在最も使用頻度の高い平地作業での利用はオーバースペックであるとして、今後は、自動航行技術を活用した斜面や高所等の作業分野の強化、肥料高騰対策に向けた可変施肥、ばれいしょ、キャベツ、たまねぎ、果樹などの水稲以外への分野も強化していくとした。果樹では、完全自動航行を利用して、楽しく作業ができたという声もあり、労力軽減に役立つ商品、サービスをこれからも提供していきたいとした。
 大信産業は、柑橘園での防除の取組みを紹介。圃場を測量し、飛行ルートの広域の地図を作成し、今年度からかんきつの請負防除をスタート、黒点病防除を行っている。課題としては、完全自動航行ができるドローンが少ないこと、ネットワークRTKの拡大(固定局は費用がかかるため)、葉裏に効果のある浸達性の高い農薬の登録拡大と展着剤の利用、年間防除のための登録拡大、などを挙げた。

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