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高性能林機導入加速 リース支援等拡充 担い手育成等含め118億円

林野庁は高性能林業機械の導入加速に向け、購入補助やリース支援等について拡充することを決めた。令和5年度予算概算要求で明らかになったもの。今回拡充を受けたのは、林業機械作業システム整備(購入補助)や林業経営体育成対策(林業機械リース支援)など。前者では、新たに生産性の向上(IoTハーベスタ)、造林コストの低減(資材運搬ドローン)を図る新たな機械が補助対象に追加。後者では、造林保育型機械をリース対象に追加した。
 今回の高性能林業機械等の導入支援は令和5年度からスタートする林業・木材産業循環成長対策の一つとして位置づけられている。同対策は木材需要に的確に対応できる安定的・持続可能な供給体制の構築のため、木材加工流通施設の整備、路網の整備・機能強化、高性能林業機械の導入、搬出間伐、木造公共建築物等の整備等や再造林の低コスト化に向けた取組への支援など、森林資源の循環利用確立に向けた取組を総合的に推進するもの。概算要求では総額118億円を計上。一部林業デジタル・イノベーション総合対策(31億5300万円の内数)で計上されている。対策の目標は国産材の供給・利用量を令和2年度3100万㎥から令和12年度までに4200万㎥を目指す。
 同対策の事業の一つとしてラインナップされているのが「高性能林業機械等の導入」だ。森林整備の効率的かつ円滑な実施、林業再生産の担い手育成及び林業生産コストの低減を図るために必要な高性能林業機械等の導入を支援するとともに、効率的かつ安定的な林業経営を継続的に行うために必要な高性能林業機械等のリースを支援するもの。
 後者(リース支援)については、造林保育型機械がリース対象に追加。
 前者は①林業機械作業システム整備②効率化施設整備(作業ポイント、山元貯木場等)③活動拠点施設整備(情報処理機械施設)―の3種類がある。このうち、拡充が行われたのは①の林業機械作業システム整備。今回は新たに造林事業を開始する者に対する支援が追加された。対象となるのは事業開始から3年以内の事業体で補助率は2分の1(グラップル等素材生産に用いる機能も有する機械の上限事業費は1500万円)。また、生産性の向上(IoTハーベスタ)、造林コストの低減(資材運搬ドローン)を図る新たな機械を補助対象に追加した(補助率は定額で10分の4以内)。
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 このほか、林業・木材産業循環成長対策に盛り込まれたものとして、「特用林産振興施設等整備」がある。地域経済で重要な役割を果たす特用林産物の生産基盤の整備を支援するとともに、生産・加工流通の施設整備を支援する。具体的な事業は2つ。一つ目が、コウゾやミツマタ、ウルシなどの特用樹林などの造成、山菜等の発生環境整備、ほだ場造成などを支援する特用林産物生産基盤整備。二つ目は特用林産物生産・加工流通整備。同事業では、生産施設、加工・貯蔵施設の整備を支援するが、令和5年度概算要求では、加えて化石燃料を使用しない省エネ機器(木質ボイラー、ヒートポンプ等)の導入に取組む事業者に対する優先採択のほか、おが粉やきのこ原木等を生産する者が支援対象として追加された。
 林業・木材産業循環成長対策の新規事業としてスタートするものとして「林業の多様な担い手の育成」がある。意欲と能力のある林業経営者をはじめとした多様な担い手の育成を図るため、林業経営の改善や人材の確保・育成の取組等に関する各種のソフト支援を一体的に実施するもの。例えば造林事業の開始、自伐型林業等の推進に必要な技術習得、安全衛生研修、資機材の整備等を支援するほか、林業就業者に対する技能研修や森林施業プランナー育成のための研修等を支援する。また、労働安全の確保に向けて防護ズボン等の安全衛生装備・装置の導入等についても支援を行うこととしている。

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