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タンザニア視察 一筆のほ場が狭い 機械化の導入条件は様々

8月1日から5日にかけて、サブサハラ・アフリカ地域有数のコメ生産国・タンザニアの灌漑ほ場施設などをJICAチームの案内で有識者と共に視察した。概要は8月23日号で紹介しているが、改めて現地で見聞きしたことを振り返ってみる。

私自身アフリカはプライベートも含めて2度目。砂漠や荒野が広がる大地といったイメージを抱いていたが、タンザニアの、特に農村部はどちらかというと東南アジアのような印象で、人も多く小売店が並び活気やエネルギーに満ち溢れていた。道路を走る車はおそらく中古だろうが日本車が大半。交通量の増加でスピード違反の取り締まりが厳しくなっていると聞いたのに地方都市では大人が5人乗ったバイクが追い抜いていくのを見ていると(違反だと思うが…)、日本もこうしたアバウトな時期を経て発展を遂げてきたのかと想像しながら各地を巡った。
 主題である農業も同様で、まだまだ改善できそうな余地が多分に見えるが、灌漑地区で見たコメどころ地域のような景色を見ると、改めて日本の支援や協力の成果や同国農業の可能性を感じてきた。滞在中に体験したことはほんの一部分であるが、タンザニアについて興味を抱いてもらえればと思っている。
 今回は初日に訪問したアルーシャ州のレキタツ灌漑地区とキリマンジャロ州のムサ・ムインジャンガ灌漑地区について。共に世界銀行の日本開発政策・人材育成基金(PHRD)により2012年より農業機械が無償供与された組合だ。特にレキタツ灌漑地区ではチェアマンのアブディラヒ・ファウメ氏と協議後、組合の倉庫や精米プラントや農業機械を見た後にほ場を見学。機械の使用状況や乾燥工程などを見た中で、今回はほ場面積について話を広げてみたい。
 同地は山間地に位置しており、緩やかな棚田になっていることから均平をとるのが難しいため一枚の田が非常に狭く、見学したほ場の一筆は10m×10mほど。トラクタを使った作業が難しく、所有しているコンバインも多くのほ場で使用できない状態だという。タンザニアの総稲作面積に占める灌漑面積は9%、伝統的な農法を行っている天水低湿地が71%(共に2018年同国農業省データ)を考えると、こうしたほ場が大部分を占めることが推察され、どのような機械が有効か見極めた上での提供が重要と思う。実際にそうしたほ場の横で日本ブランドの耕うん機を使って大区画化していた箇所は参考になるのではないか。こうした場所で試したい企業は是非AFICATまでお問い合わせを。

 移動中にもみ殻をレンガの上や間に敷きつめて火をつけ、その熱で焼きレンガを作っている作業場に立ち寄った。日本同様、コメの生産量拡大と共にもみ殻処理は問題となっているとのこと。需要が高まっている焼きレンガ作りの燃料に活かされていたのを興味深く見た。これから火をつけるレンガの山があちこちに用意されていた。(佐藤記者)

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