農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

政府は８月10日、新たな農林水産大臣に参議院議員の野村哲郎氏を任命した。
　野村氏は昭和18年11月生まれの78歳、鹿児島県出身。鹿児島ラ・サール高校卒業後昭和44年12月に鹿児島県農業協同組合中央会入会。平成11年６月には同会常務理事に。16年４月に退職し同年７月の第20回参議院議員通常選挙で初当選。以降、農林水産大臣政務官や参議院農林水産委員長などを歴任した。当選回数は４回でいずれも参議院。
　就任時の記者会見では、特に「食料安全保障」を強調。生産量の向上に向けては、一挙に全ての作目であげていくことは難しいとし、「例えば、今一番不足している小麦や大豆など、ターゲットを絞り込んで取り組む必要がある」と指摘。地元鹿児島の経済連でテストが進められている濃厚飼料として、トウモロコシの代わりに大麦を給与する取組を例にあげ「日本の畑でとれる大麦などで対応できないか。もちろんトウモロコシも国内で生産できないわけではないが、私の考えていることとは少し違うと思う」とした。自らを「農業馬鹿」とも表現するほどで参議院議員初当選以降自民党の農林部会以外の部会にはでたことがないという。
　金子前農相は野村農相について10日の退任会見で「野村先輩は、農林業の本当に超ベテランで、農政について全て知り尽くしている。現場もよく知っているし、いろんな問題についても、積極果敢に取り組み、農林部会長をあれだけ長くやられた。私より一つ上だから大変苦労をすると思うが、本当に良い方が後任になり良かったと思っている」と述べている。
　なお、12日には副大臣、政務官も任命され、副大臣には、野中厚氏と勝俣孝明氏、政務官には藤木眞也氏と角田秀穂氏が就任した。野中氏は45歳、当選４回の衆議院議員。平成29年８月から30年10月まで農林水産大臣政務官を努めた。また、勝俣氏は46歳、当選４回の衆議院議員。環境大臣政務官を務めた経験あり。藤木氏は55歳、当選２回の参議院議員。令和元年9月から２年９月まで農林水産大臣政務官。角田氏は61歳、当選２回の衆議院議員。
　なお、野村農相は12日に新型コロナで陽性となり就任早々自宅待機を余儀なくされた。