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遠隔・自動林機実現へ 通信の将来像追加 林業イノベーション推進プログラム

遠隔・自動林機実現へ 通信の将来像追加 林業イノベーション推進プログラム
林野庁はこのほど、「林業イノベーション現場実装推進プログラム」のアップデートを行った。今回のアップデートでは通信の将来像を追加したほか、林業の課題を8分類35課題に整理し、課題に対応する異分野を含めた技術をリスト化し、技術熟度レベルを8段階で整理。2025年までのタイムライン、現状や普及に向けた課題等を更新、整理している。更に技術開発や普及を推進するためのプラットフォームとして昨年度設置された「森ハブ」を位置づけている。
 林業イノベーション現場実装推進プログラムは林業現場への新技術の導入を加速化するため、イノベーションによる林業の将来像と技術開発の現状、普及に向けた課題等を整理したもので、令和元年12月に公表されている。同プログラムについては、現場実装のさらなる加速化に向けて令和3年度に設置した異分野の技術探索や産学官の様々な知見者により先進技術方策の検討等を行う「林業イノベーションハブセンター(森ハブ)」においてアップデートの検討を進めてきた。今回これまでの取組成果や森ハブでの検討、成長戦略フォローアップやデジタル田園都市国家構想基本方針なども踏まえ、アップデート版を作成した。
 アップデート版では、林業分野のイノベーションにおいて通信技術の進展が重要となることから、これまで将来像が示されていた①伐採・搬出②造林③新素材開発に加え、通信についてを追加した。具体的には、将来像として、「新たな通信技術の発展・普及により、携帯圏外域の山間部で通信環境を構築。各種の通信環境構築技術により、林業施業地において先進技術の導入が進む」と設定。当面は現場ニーズの高い緊急通報や獣害対策(ワナの遠隔監視等)について、技術的に確立されたLPWA(Low Power Wide Area:電力消費が低いにも関わらず、長距離の通信が可能な技術の総称)を活用し推進する。これに加え、より高度な通信の活用に向けた取組としてLPWAでは対応不可能な林業機械の遠隔操作や生産データ送信などに向けた新たな通信技術の検証・活用を推進する。そのうえで、将来的な取組として、大容量高速通信(5G等)を用いた林業機械の遠隔化・自動化を目指した技術開発を推進する。
 このほか、アップデートした点として、林業イノベーションの展開方向・各技術のロードマップでは、林業の課題を8分類35課題に整理し、課題に対応する異分野を含めた技術をリスト化。技術熟度レベルを8段階(1~4:開発、5~7:実証、7・8:実用化(技術開発の成果製品サービスが市販化段階にあるもの(販売実績は問わない))、8以上:普及(販売実績が複数件以上あり、技術の普及が待たれる段階))で整理した。また、開発・実証・実用化・普及の4フェーズにわけ2025年までのタイムライン、現状や普及に向けた課題等を更新・整理している。例えば作業の自動化(伐採)についてはウインチアシストシステムによる傾斜地での機械走行技術は8、抜倒機械の遠隔操作技術は6など。

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