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施設園芸でみどり戦略に貢献する技術 消費電力10%削減 断熱資材ナノファイバー

農水省では、近年(直近10年程度)開発され、「みどりの食料システム戦略」に貢献し得る技術を「技術カタログ」としてまとめている。最新はVer1・0で167の技術を紹介。このうち、施設園芸に関する技術をみてみたい。
【新たな多層断熱資材「ナノファイバー断熱資材」(農研機構本部)】温室(ハウス)の重要な役割は保温である。その保温能力には被覆資材が大きく関わっており、そのなかでナノファイバーが注目されている。
 ナノファイバーを多層断熱資材の中綿として利用することで、温室における暖房時のエネルギー消費量は慣行より35~51%減少。また、夏季のヒートポンプによる夜間冷却時の消費電力は約10%の削減効果が期待できる。更に、通常の多層断熱資材と比較して重さは約80%、厚さは約40%まで減少し、取扱い性が向上した。
【結露センサーを用いた環境制御によるミニトマトの裂果及び好湿性病害対策(千葉県農林総合研究センター)】促成ミニトマト栽培では、植物体上で発生する結露などが原因となり、裂果や灰色かび病など好湿性病害が多発。そのため、高湿度域での計測に優れる結露センサー付き複合環境制御器を用いて、結露値80で暖房等を制御すると、相対湿度を90%台に低下させることができ、これらの被害を低減できる。
 栽培試験では、11月~12月に裂果率が1日最大5分の1に減少し、この期間の収量が20%増加。また、ミニトマトの疫病、葉かび病、灰色かび病及び斑点病に対し、発病を抑制する効果が認められている。
【自然エネルギーを利用したイチゴのクラウン温度制御(農研機構本部)】イチゴの生長点が集中する株元(クラウン部)に接触させたチューブに、15℃~18℃程度の地下水や河川水等を通水し、熱源として利用することで温度制御し、生育調整を行う。
 25℃以上の高温期には、クラウン部を冷却することで花芽分化が促進され、促成栽培では単価の高い2月までの収量が増加し、収穫の中休みも短縮。また、15℃以下の低温期には、クラウン部を加温することで、生長が維持されるため、暖房費を節減できる。

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