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自動走行台車を試作 井関農機 GPECで展示・デモ より広範囲に生育を把握

井関農機(冨安司郎社長、愛媛県松山市馬木町700番地)は、施設園芸向けに植物工場内に設置した複数のレーンを自動で移動する自動走行台車について、7月20~22日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される施設園芸・植物工場展(GPEC)2022に出展し試作機を展示、実演も行う。ブース番号はC―20。

 現在、植物工場においてはレールの上を走る台車が広く使われており、自動走行が可能な製品も開発されている。井関農機では夜間、レールを自動走行し、画像により光合成機能を診断する『植物生育診断装置』※を開発・販売しているが、こちらは1台で1晩1レーンのみの診断。同社施設事業部・施設営業技術部の中田次郎副部長は、自動走行台車の開発の経緯を「複数レーンの診断が可能になれば、より広範囲に植物工場内の生育状況の把握を行え、装置の効率的活用が可能になる」と話している。
 今回の自動走行台車では①レールの終わり及び通路を検知すると自動で通路に移動し、レーン間を平行移動する②次のレールを検知すると平行移動を停止し新たなレールに復帰、作業を開始する―という形で複数レーンに対応する。レーン間の移動については追加部材が必要なく、センサによって目標となる次のレールを検知する。
 台車の上に搭載する作業機は現在検討中だが、将来的には、植物生育診断装置のほか、防除機、収穫ロボットなど様々な作業機を搭載し、広範囲の情報取得や作業の省力化につなげていきたい考えだ。
 井関農機施設事業部では「今回の出展で、色々な方からご意見を頂き更に良いものとなるよう開発につなげていきたい」としている。
 井関農機ブースでは試作機を展示するだけでなく、試作機のデモも予定している。ブース番号はC―20。
 ※植物生育診断装置=愛媛大学植物工場研究センターと井関農機の共同研究・開発で誕生した業界初の製品。人の目には見えない光合成機能を診断し、その要因を分析することで、栽培環境や生育の変化に素早く対応できるようになる。
 同機のポイントは2つ。①非破壊・非接触・広範囲=画像による計測を行うため、栽培中の植物に傷をつけたり、ストレスを与えない。広角レンズを装着したCCDカメラで広く植物を撮影する②早期に見える化=植物の生育に重要な光合成機能を数値評価する。目に見える変化が出るよりも早く、生育の変化を見える化する。
 使い方は①自動計測=パイプレール上を設定した時間間隔で走行し、複数の箇所で植物を撮影。パイプレールの端を感知すると、自動で元の場所まで戻り、計測を終了する。タイマー制御により夜間に自動で計測を行うため、昼間の管理作業の妨げにならない②光合成機能診断=診断アプリケーションが計測結果を自動でグラフ化し、光合成機能の毎日の変化を診断する。複数の装置を設置することで、エリアごとの計測結果を温室マップ上に表示できるため、光合成機能の分布を診断できる③要因分析と対応=光合成機能が変化する要因は環境の変化や分布、病虫害の有無など多様。使用者が独自に測定した環境情報と照らし合わせたり、現場の状況を確認したりすることで要因を分析するとともに、栽培環境や生育の変化に素早く対応することができるようになる―の3ステップ。

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