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肥料高騰の対応等 農林水産政策地方説明会 農水省

農水省は6月23日、本省講堂で「生産資材・原材料高騰下における農林水産政策に関する地方説明会」を開催した。これは、燃油、穀物、肥料原料等の価格高騰が続くなか、農林漁業者、食品事業者、関係団体(農業、林業、水産業、食品産業等)、行政担当者など、幅広い関係者に関連対策の周知を図るとともに、わが国の食料安全保障について意見交換を行うことを目的としたもので、肥料原料価格の高騰及び国内生産への対応などについて説明。全国10会場で順次開催している。

 開会にあたり、大臣官房総括審議官の杉中淳氏は、「昨今のコロナ禍における物流の混乱や、ロシアによるウクライナ侵攻などにより、原油、食料、肥料原料、飼料などの国際価格が急騰しており、これに伴いわが国の食品や肥料、飼料等の生産資材の値上げが相次いでいる。こういった状況を踏まえ、食料安全保障をめぐる情勢、肥料や飼料などの最近の動向や対応策、4月に取りまとめた原油価格・物価高騰等総合緊急対策などを含め、説明させていただく。皆様からいただいた様々な意見を、今後の対策、農林水産政策を検討するうえで、参考にしたい」と挨拶した。
 その後、①食料安全保障をめぐる情勢②肥料原料価格高騰及び国内生産への対応③飼料価格高騰への対応④食品産業における原材料高騰対策⑤木材需給の変動への対応⑥水産分野の価格高騰への対応―について、各担当課長が説明した。
 ①の食料安全保障については、国内の農業生産の増大を図ることと、輸入及び備蓄を適切に組み合わせることにより食料の安定的供給を確保。また、食料供給に係るリスクの分析・評価を行うとともに、わが国の食料の安定供給への影響を軽減するための対応策を検討、実施することで総合的な食料安全保障を確立するとの考えを示した。
 ②の肥料原料価格高騰については、「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に基づき、調達国の多角化による原料の安定調達を進めつつ、主要供給国のモロッコやカナダに対し、政府から安定供給の働きかけ。また、2008年の肥料高騰対策も参考に、新しい支援金の仕組みを創設し実施する方針とした。
 ③の飼料価格の高騰については、配合飼料価格安定制度の異常補填基金から生産者に補填金の交付等を行う。また、輸入飼料に過度に依存しない持続可能な畜産物生産の実現を図るとした。
 参加者からは「即効性のある対応をお願いしたい」「人と農地の問題を考え直し、対策をとらないと、食料安全保障は確立できない」などの意見が出た。

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