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農薬工業会 農薬危害防止で講演会 ドローン利用と安全確保 

農薬工業会 農薬危害防止で講演会 ドローン利用と安全確保 
農薬工業会(本田卓会長)は6月22日、日本教育会館で「農薬危害防止に関する講演会」を開催。会場から25名、オンラインで113名(アドレス数)が参加した。冒頭、松浦専務が挨拶し、「今年の講演会はドローンの効率的利用と安全確保がテーマ。ドローン利用の現状と未来、また今後の課題が明らかになることを期待している」などと述べた。 
【農薬の危害防止について】農林水産省農産安全管理課農薬対策室・濱砂信之課長補佐。
 農薬中毒事故は年間10~30件ほど発生し、誤飲誤食28%、防護装備の不備が21%、被覆の不十分による農薬使用後の被害が15%となっている。
 他の容器に農薬を移し替えない、土壌くん蒸剤を使用する際はフィルムなど適切な厚さの資材の使用、飛散が少ない剤型や飛散低減ノズルの使用などの対策が求められる。
 クロルピクリン剤については、昨年度より被覆資材の厚さや材質による飛散防止効果などの影響や被覆によるコストと収量増加等のベネフィットの比較を実施しており、結果を踏まえて取扱いの指導や規制の検討に活用する。
 農薬危害防止運動では、指導が行き届きにくい層への対策として、ドローンの関係団体やメーカー、販売店、教習施設等に対して、ドローンを用いる農薬使用者への普及開発資料の配布や、講習会参加の呼びかけを要請している。
【航空法の改正による無人航空機の新たな制度と農薬の適正使用】農林水産航空協会常務理事・五月女淳氏。
 航空法改正により農薬の空中散布はカテゴリー2に該当し、従来の許可・承認で飛行が可能。また機体認証及び操縦ライセンスを有している場合、飛行の許可・承認は不要。ただし農薬の空中散布は物件投下飛行に該当するため、許可・承認の対象(検討中)。
 農薬の適正使用について、使用前に必ずラベルを確認する。農薬業界では当たり前であっても、今後は新たに参入してくる散布者もおり、許可・承認さえ取れてしまえば法律上は農薬散布ができてしまうが、希釈の仕方などをしっかりと勉強する必要がある。
 危害防止のためには、散布日時や場所、農薬の種類について周辺住民への周知を実施する事が重要。また、作業エリアで完結し、ドリフトさせない、問題が起きた場合は、エリア内で解決するよう指導している。山間部ではGPSの受信不良が起こりやすいため、そうした場合にも対応できるよう技術向上に努める必要がある。協会では、「産業用マルチローター安全対策マニュアル」を作成している。
【ドローンの農業場面における活用方法と今後の取組み】バイエルクロップサイエンス・アジアパシフィックマーケティング・波田康弘氏。
 過去2年半で水稲以外の分野でもドローン散布可能な薬剤が増加。2022年6月現在、バイエルでは11薬剤(7殺虫剤、4殺菌剤)が登録。かんきつにおける果樹モードの実圃場における適応性の確認では夏の農薬散布に要する時間を削減し、農家負担を軽減。ナティーボの灰色かび病の試験では、地上散布と同等の防除効果を確認した。
 また、モベントフロアブルについて、はくさいでは手散布同様の効果を示す一方で、キャベツでは十分な効果を示さなかった。だが、ある特定の展着剤を加用することで、ドローン散布の効果が安定することも分かった。
 R150は水平・垂直方向共に自由な範囲で角度設定が可能。走行制度0.4m/秒以下、スウィング速度3以上で面として散布可能。水平角度は作物栽培形態によって設定が異なる。今後はなしや他の果樹作物についても検討を重ねる。XAG製品では、2枚の回転翼V40も8月に上市予定。
【ドローンの適正使用における農薬メーカーとしての考えや取組みについて】シンジェンタジャパン・齊藤建央氏。
 ドローンによる散布作業の省力化が求められる中、より自信を持って勧められるように、国が定める登録ガイドラインと共に、独自の社内ガイドラインを経て登録拡大を行っている。
 社内ガイドラインは、現場の要望に応える適用拡大であることを大前提とし、安全性が十分に検証された薬剤候補について、実使用場面を想定した適用性を検証し、普及のサポート要素まで整ったものを高濃度少水量散布に適用拡大する。
 安全性の検証では、人畜毒性、散布者への影響、環境への影響を検証。適用性の検証では、吐出性、薬効薬害試験データ、作物への影響確認を検証。普及性については、混用物化性・安全性の確認、周辺環境に対する影響の確認、適切な散布方法の作成など。
 またドローンメーカーとの協業も含めた使用者研修などで、現場での普及を図っている。

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