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ジャパンドローン’22 社会実装の技術が一堂に

「ジャパンドローン2022」(主催:一般社団法人日本UAS産業振興協議会)が6月21~23日、千葉県の幕張メッセで開催、ドローンに関する製品やサービス、システムが一堂に紹介された。自治体フォーラムゾーンでは、秋田県仙北市のドローンの活用事例なども紹介。また福島イノベーション・コースト構想で整備された開発実証拠点「福島ロボットテストフィールド」における様々な開発企業のプロジェクト紹介も印象的だった。
 一方で、社会実装化に向けて法整備が進み、有人地帯における目視外飛行(レベル4)の実現が目前となるなか、会場ではそれを支えるドローンやセキュリティー対策なども紹介されていた。
 農業分野では、セキドがAGRAS T30、T10を紹介。T10は一人で持ち運びできるコンパクトな機体ながら十分なダウンウォッシュで優れた散布性能を発揮する。T30は、葉裏への付着を可能とする果樹モードを有し、大容量30ℓタンク、最大吐出量8ℓ/分とパワフルな機体。
 このほか、空撮・測量用のドローン「MATRICE30」などを紹介。同社営業本部の糸野隆雄氏は、「T30の最大の特長は、肥料散布を自動航行でできることだ。測量した画像をもとに自動で最適な散布ルートを計画してくれるため、職人技がなくても、3つのボタン操作だけで自動航行し、簡単に誰でも散布ができる。自動航行は日本では8%しか用いられていない。ドローンの購入者の中には使いこなせずに、倉庫に眠ってしまっているケースもみられる。販売する側もお客様にコミットしていく必要がある」と述べた。
 また飛行時間の課題については、ロボデックス=神奈川県横浜市旭区=が、「アイギスワン(aigisone)」を紹介。水素燃料電池に最適化した社会実装モデルで最大飛行時間は90分。農業分野では、バッテリを現場に大量に持ち運ばなくてはならないが、そうした課題解決につながる。貝應代表取締役は、「温室効果ガスの排出を抑えた環境面はもちろん、長時間飛行や積載量の拡大を目指して、水素燃料電池ドローンの開発を進めている。水素燃料電池ドローンの長時間飛行が可能になることで、環境に配慮しながら農業や建設、物流、防災、保守点検など、さまざまな分野での活躍が可能となる。デモ飛行のイベントなども計画している」と話す。
 古河電池=横浜市保土ヶ谷区星川=は、安全で取り扱いやすいドローン用リチウムイオンバッテリー(開発品含む)を展示。過放電などのリスクから電池を保護する保護回路(インテリジェント機能)があるため、リポバッテリーと比べて取扱いが容易。同社の担当者は、「ドローンの社会実装化に向けて、万が一に備えて国産バッテリの要望は強い」と話した。
 スカイドライブ=本社:愛知県豊田市=は、「空飛ぶクルマ」と称した有人飛行機「SD―03」(試験機)と1日700㎏の荷物運搬が可能な物流ドローン「SkyLift」(販売中)を展示。
 物流ドローンは、最大ペイロード30㎏で、鉄塔メンテナンス時の資材運搬や、高速道路建設現場での空を介した敷材運搬が行える。災害時は、孤立した被災地域に救急・支援物資を運搬。2021年6月に豊田市と災害時活用の協定を締結した。農業分野では収穫時の農産物運搬として、実証試験等を2020年に行っており、実用化を目指している。

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