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常温煙霧、ドローン 新施用技術の検討充実 日植防総会

常温煙霧、ドローン 新施用技術の検討充実 日植防総会
日本植物防疫協会(早川泰弘理事長)は6月10日、アートホテル日暮里ラングウッドで第11回総会を開催した。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、人数を制限して開催された。総会では、2021年度事業報告及び収支決算に関する件等の各議案について審議、原案通り承認された。また任期満了に伴う役員の改選については、重任することとなった。

 総会の冒頭、早川理事長が挨拶し、2021年度の活動概要を述べた。「2021年度は、農薬の再評価制度の運用の本格化、スマート農業の一層の推進、さらには、みどりの食料システム戦略や植物防疫の在り方検討会という大きな動きのなかでの業務運営だった。さらに新農薬実用化試験成績検討会、シンポジウム、研修会等の開催方式をハイブリッド方式やオンデマンド方式等感染防止対策に合わせた方式を導入し、引き続きのコロナ禍ではあったが、前年度より充実した内容だったと考えている。さらに新たな取組みとして協会の主要なテーマである農薬施用(散布)の省力化・効率化をさらに広く、かつ深く検討するために『農薬の新施用技術検討協議会』を発足させるとともに新農薬実用化試験の信頼性維持のために都道府県の試験研究機関とともに行う『植物防疫技術研修』を発足させた。2022年度事業については、4つの重点課題に取り組む。1つ目は委託試験の着実な実施。新農薬実用化試験成績検討会の開催は、ハイブリッド方式を併用しながらできるだけ多数の関係者が参加して頂けるようにする。またIPMの一層の推進が求められる状況にかんがみ、化学農薬以外の防除資材の登録や普及に関する適正評価の検討準備に着手する。2つ目は、前年度から開始した「植物防疫技術研修」の拡充。基礎的な内容に加え、今年度はさらに応用的な内容について新たに実施する。3つ目は、協会の基盤である会員組織の充実。5月25日に開催された理事会において、都道府県、大学等に所属する8名が新たに正会員として承認された。さらに引き続き、植物防疫関係者のネットワーク強化のために種々の取組みを行っていく。4つ目は、昨年度に発足させた『農薬の新施用技術検討協議会』の更なる充実。検討を深め、得られた成果等を適時情報発信していく」と述べた。
 また農政の動きについては「みどりの食料システム戦略についてはそれを具体化するための新法であるみどりの食料システム法が今国会で制定された。また植物防疫の在り方検討会を踏まえ、植物防疫法が今国会で改正され、それぞれ施行に向けた準備が進んでおり、新たな段階に入った。今年度はこのような諸情勢を注視しながらも植物防疫は農業現場に直結する重要な技術的分野であることを改めて意識し、都道府県等、農薬メーカー、関係団体と緊密な連携をとりつつ協会事業を着実に推進していく」と述べた。
 続いて、来賓代表として農林水産省消費・安全局植物防疫課の望月光顕課長と農研機構植物防疫研究部門の眞岡哲夫所長がそれぞれ挨拶を述べた。
 議事では、冨田専務理事が2022年度の事業計画のポイント等を説明。「農薬の新施用技術検討会」については更に充実を図り、常温煙霧法の農薬登録拡大に向けた「新農薬実用化試験(委託試験)の実施(殺菌剤14剤、殺虫剤6剤の計60試験)や、イチゴにおける適正な散布水量の検討(徳島等)、現場普及に向けた基礎的データの蓄積(高知県)を実施する。灌水チューブ処理については、今年度も適用条件を検討する。 
 農薬散布量の見直しでは、りんごやももに加えてぶどうやかんきつなどでも現状調査を実施する。
 ドローン散布に関する検討会では昨年度、計146試験結果を集計し、地上散布との防除比較を行い、作物および病害虫別にドローン散布の適用性を検討した。今年度は、提供された試験データを関係者で共有するほか、都道府県の研究機関と、農薬、ドローンメーカーとの共同試験を実施するとした。
 なお総会の模様は、会場からライブ配信された。

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