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スマート技術早期実装へ 脱炭素化も推進 イノベーション戦略’22策定

スマート技術早期実装へ 脱炭素化も推進 イノベーション戦略’22策定
農水省は5月24日、「農林水産研究イノベーション戦略2022」を策定した。同戦略では、農林水産研究を巡る昨今の情勢を分析・整理したうえで、重点的に行う研究政策を紹介。「持続可能で健康な食の実現」「2050年カーボンニュートラル達成への貢献と資源循環の追求」「スマート農林水産業の早期実装を通じた諸課題の解決」の研究開発に関して目指す姿、実現に向けた具体的な方向性と道筋を示している。また、人材育成など研究開発環境の整備の方向性も提示している。
 「農林水産研究イノベーション戦略」は日進月歩の科学技術の発展を踏まえ、食料・農業・農村基本計画に基づき毎年度策定しているもの。今回の戦略では重点的に行う研究政策として、①持続可能で健康な食の実現②2050年カーボンニュートラル達成への貢献と資源循環の追求③スマート農林水産業の早期実装を通じた諸課題の解決―の3つに大別し、今後の研究開発の方向性を示している。
 ①の持続可能で健康な食については、高機能性農産物や生産性の高い大豆などの重要作物等の品種開発を推進。これらを環境と調和して生産するため、環境負荷が低い生産システムを開発するとともに、農作物の機能性を高度に発現させる生産方法を開発する。
 ②のカーボンニュートラル達成に向けては唯一の炭素吸収源セクターとしてバイオ炭や早生樹・エリートツリーなどの持つポテンシャルを最大限に引き出すことによる農林水産分野の機能発揮、農業由来GHGの大幅な発生抑制技術等世界的なインパクトを有し国際貢献にもつながるカーボンニュートラル技術の開発を推進する。
 また、循環型社会の構築や食料安全保障の確保の観点から海外に依存しているリン等の肥料、エネルギー等の基礎的な資材の国内調達を拡大するため、資源リサイクルによる肥料原料回収・利用技術や農山漁村エネルギーマネジメントシステム(VEMS)等の開発・実用化を進める。品種については、国家的育種インフラ「育種ハイウェイ」の構築・実証を進める。
 ③のスマート農業では、昨年の戦略で示した自動化を可能とする作業ロボットや農林業機械、ICT・AIを活用した生産・作業管理技術などの研究開発を着実に実施するとともに、品目横断的に利用できる汎用的な作業ロボットや様々な環境条件に対応できる汎用的な作業ロボット、様々な環境条件に対応できるロボット農機等の開発を戦略的に推進する。スマート化にあたっては、他分野のエネルギー関係の研究開発と連携し、農林業機械の電化・水素化、ゼロエミッションハウス等施設園芸の脱炭素化にかかる研究開発等を推進。また、これまでのスマート農業実証の成果を検証し情報発信するとともに、機械のシェアリングなどの産地ぐるみでの導入実証等によりコスト低減を図るなどスマート技術の社会実装を進める。更に農業教育機関での教育や農業者・指導者向けの研修、理工学系人材の農業研究領域での人材の流動化の促進等により、技術対応力・人材創出を強化する。

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