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イチゴJIT生産 生育センシングで実現へ

農研機構はこのほどイチゴのジャストインタイム生産(JIT生産:必要なものを必要なときに必要な数だけつくる)の実現に向け、イチゴの生育情報を自動収集する生育センシングシステムを開発した。
 農研機構では、2021年に農業ロボティクスセンターを新設し、最先端のロボティクス技術及びシステムインテグレーション技術の農業生産現場への展開を通じて、農業・食品分野における「Society5・0」の早期実現を目指している。そうしたなか、同センターで開発されたのが今回のシステムだ。
 イチゴのJIT生産を実現するためには、果実の収穫日を正確に予測する必要がある。収穫日予測には、果実発育の開始タイミングとなる開花日や、果実発育速度に影響する果実温度といった、生育情報が必要。このため、イチゴ群落の画像を自動で収集し、必要な生育情報を評価できる生育センシングシステムを開発した。
 具体的に開発したものとして、1つ目は、多様な気象環境を再現する人工気象器に格納可能な、イチゴ用生育画像自動収集システム。市販のRGB―Dカメラ、熱画像カメラ、電動スライダを組み合わせ、複数株イチゴ群落のRGB画像・熱画像・距離画像を取得。近接画像をつなぎあわせるパノラマ撮影方式を採用しており、カメラから対象物が25~40㎝と接近していても、ハウスの高設ベッドのような、より長いイチゴ群落を撮影することも可能。
 また、同システムは果実の発育に大きな影響を与える温度について、果実温度を収集できる。今後は取得した果実温度を学習用データとして収穫日を高精度に予測する生育期間予測AIを開発する。
 2つ目は開花認識AI。イチゴ開花日は、果実発育の開始タイミングとして重要な情報。開花日特定のためには、画像から開花状態の花を精度よく認識する必要がある。今回、開発したAIでは、蕾~花弁離脱までの開花の状態を多段階に分けて学習させる手法を新たに採用。その結果、開花認識率は88・8%と大幅に向上し、人工気象器で試験した45花の開花日を平均絶対誤差±1日以内で特定することが可能となった。
 これらのシステムを組み合わせた生育センシングシステムと生育モデルやAIを活用した生育制御技術を組み合わせることでイチゴの収穫日を将来的に高い精度で制御することが可能となると期待される。今年度はハウス等での試験を通じJIT生産システムを実証し、導入効果を検証する予定。

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