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持続性高い農業へ みどり戦略貢献の技術等示す

農水省は4月27日、令和4年版に改定した「農業技術の基本方針」を公表した。基本指針は都道府県をはじめとする関係機関における農業技術関連施策の企画、立案、実施等にあたって参考となるよう、農政の重要課題に即した技術的対応や営農類型別の留意事項などを取りまとめたもの。
 今回の改正のポイントは①環境負荷低減の取組のために作成された「持続性の高い農業に関する事例集」、「みどり戦略」の技術カタログ②国際水準GAPの取組拡大に向けて策定された「わが国の国際水準GAPの推進方策」及び「国際水準GAPガイドライン」について③種苗法改正により令和4年4月から農業者による種苗の増殖に育成者権者の許諾が必要となること④2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指し改定された地球温暖化対策計画及び「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」―などが新たに追加された点。
 具体的には、①については、「より持続性の高い農法への転換」として、次のように記している。農業分野における環境負荷の低減に向けては、経済性や生産性に留意しつつ栽培暦の点検や見直しを行い、他の産地で実践されている取組の導入を検討する等、より持続性の高い農法への転換に取組むことが重要。取組にあたっては栽培暦の点検を行うためのチェックポイントをまとめた「より持続性の高い農法への転換について」を活用し、全国の減化学肥料・化学農薬や有機農業に取り組む産地の事例をとりまとめた「持続性の高い農業に関する事例集」、環境負荷低減等に貢献し、現場への普及が期待される技術を整理した「みどりの食料システム戦略」技術カタログも参考にしながら、栽培暦の見直しや新たな取組を推進する。
 なお、技術カタログに紹介されている技術としては、水稲では自動運転田植機やV溝乾田直播栽培技術、バイオ炭の農地施用など。露地野菜では、野菜用高速局所施肥機や高能率キャベツ収穫機など。果樹では、温州みかんの浮皮軽減技術など全作物合計で167の技術が紹介されている。
 基本指針では、このほか近年多発する災害への備えについても、必要な事項を紹介している。
 指針は、都道府県など関係機関向けにまとめられたものだが、農政における農業技術の扱いや災害対策など有用な情報も多く、多くの人に参考にしてほしい資料となっている。

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