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さといも疫病対策 シンジェンタとDJIがオンラインセミナー

シンジェンタジャパンとDJIJAPANは22日、オンラインで「さといもドローン研修会」を実施した。9月29日付で「アミスター20フロアブル」がさといも疫病で無人航空機の登録を取得(地上散布は既に取得済)。さといもは、生育後期に背丈が人の背よりも高くなり手散布による防除が難しいため、ドローンによる省力化へのニーズが高い。当日は農業ドローンオペレーターや販売店など農業関係者約105名が参加し、さといも疫病防除対策の理解を深めた。
 当日の進行はシンジェンタジャパンプロダクトマーケティング部の及川氏。はじめに福岡支店技術普及部の秋山氏がさといも疫病やアミスター20などについて説明した。
【さといもの市場性】九州地域では近年、宮崎、鹿児島のさといも産地を中心に、さといも疫病が発生し、作付面積が減少傾向となっている。さといもは、生育後半になると茎葉が人の背ほどにもなり、手散布での防除作業は困難。また、高齢化の進展や夏の暑い作業が負担となっており、ドローンによる省力化ニーズは高まっている。
【アミスター20フロアブル】各種野菜、畑作物、茶等の様々な病害に高い効果を示す。雨に強く、浸透移行性により、片面に処理しても反対の面まで浸達し、また導管を通る水に乗って先端・上方に向かって移行する。ゆっくりと吸収され、植物体全体に程よく分布する。作物への汚れも少ない。高濃度少水量散布のドローン散布でも水に溶かしやすい。
【さといもでの試験結果】多発生条件下でも無処理区に比べ、発病を抑えられ、薬害も無かった。ドローン散布と地上散布も同等の効果が得られた。また、さといもの水をはじきやすい葉でも付着。現段階では展着剤は必要ないと考えられる。
【さといも疫病】病原菌の生育適温は27~30℃。夏季の多雨条件下で発生が多くなる。水中を病原菌が移動し、台風の強風で発病が助長される。本菌は被害植物(残渣)の中で越年する。平均25℃となる日が数日続き、そこに降雨が絡むとその後初発が見られる傾向。
【宮崎県の防除方法】宮崎県のサトイモ疫病対策マニュアル(2021年版)は、残渣の処分や種芋の選別と洗浄、排水・雑草対策など耕種的防除のほか、薬剤防除について示している。
 薬剤防除では、早い時期からの防除開始と定期的な薬剤散布が重要。3月定植、8月に収穫する早生種の場合、発病前にベンコゼブ水和剤を散布し、発病後ダイナモ顆粒水和剤とアミスター20フロアブルとで治療。仕上げにジーファイン水和剤を散布。一方、4月定植、10~12月に収穫する中生種の場合、早生品種と同等の防除に加え、台風前にジーファイン水和剤で予防、台風後にダイナモ顆粒水和剤とアミスター20フロアブルで治療する。
     ◇
 続いてDJIJAPAN農業用ドローン推進部の岡田氏が新機種のAgrasT30・T10を紹介。AGRAST30は散布幅9m、薬剤タンクは30ℓ積載可能。新設計のプランジャーポンプは8ℓ/分で吐出。リアルタイム液面計を搭載し、送信機上で残量を確認できる。また自動航行中はバッテリー交換・薬剤補給のタイミングを計算し、効率的な自動航行ルートが作成可能。IP67の高耐久性で水洗も可能。またサポート体制もドローンを使用する場合の教育支援や、運用、アフターサポートまで代理店を通じて充実を図っており安心して使って頂けるとした。
 次回の研修会は1月下旬。殺菌剤の基礎知識やデモ散布等を予定。

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