水稲栽培での秋冬期の雑草防除 (公財)植調協会研究所試験研究部長 濱村謙史朗
栽培期間中に生育した水田雑草を稲刈り後に放置すると、雑草は生育を続け種子や塊茎を形成する。早期栽培や早植え地帯では、収穫後も暖かい日が長く続くため種子や塊茎数が多くなる。近年は温暖化の影響もあり、収穫後の気温は寒冷地でも下がりにくく、残存雑草にとっては種子や塊茎を残すのに好都合である。本稿で取り上げる秋冬期の雑草防除は、翌春の雑草量を減少させるのに有効な手段となる。以下、水稲刈跡の本田及び水田畦畔における雑草防除のポイントを解説する。