松本システム 福島・川内村でシン・ラプトルⅡ実演 遠隔操作で伐倒集材 スマート林業現地検で披露
松本システムエンジアリング=松本良三社長、福岡県糟屋郡篠栗町和田5―2―25=のラジコン式伐倒作業車「シン・ラプトルⅡ」が、福島県川内村の国有林で林野庁が行った「帰還困難区域における森林整備の本格実施に向けたスマート林業現地検討会」(7月7日)で実演され、安全性と高い生産性を兼ね備えた次世代林業機械として大きな注目を集めた。
東日本大震災の発生から15年以上の歳月が流れた福島県の帰還困難区域において、森林再生に向けた動きがいよいよ本格的な再開段階を迎えている。長期間にわたって人の手が入らなかった人工林は、木々が生い茂る過密な密植状態となり、早急な整備が求められている。一方で、この地域には特有の深刻な課題が立ちはだかる。全国平均を大きく上回る相双地域の急激な林業従事者不足、急斜面での手作業に伴う高い労働災害リスク、そして空間線量の高さに起因する作業員の被ばく管理だ。こうした複合的な困難を打破し、安全かつ高効率な森林整備を実現するための切り札として、今回のスマート林業現地検討会が開催された。会場には約100名を超える事業体関係者が来場し、地元テレビ局などのメディアも取材に訪れるなど高い関心を集めた。その中で、実演されたのが、松本システムエンジニアリング(福岡県)のラジコン式伐倒作業車「シン・ラプトルⅡ」だ。
同機最大の特長は徹底した安全性の確保と高い作業効率の両立。オペレータは機体から離れた安全な場所から手元のコントローラーを用いて伐倒・搬送を実現。日本の複雑で厳しい林地に対応すべく、車体は上り30度、下り45度(登坂性能は45度まで)の急傾斜地に対応する。走行とシンクロする「スイング可変式アシストウインチ」を搭載することで、滑りやすい粘土質や急峻な斜面でも車体を強固に保持しながら安全に走行し、列状間伐や皆伐、その場旋回による確実な伐倒方向の制御を実現している。伐倒作業はボタンを1回押すだけで全自動で実行され、最大切断直径は60cmに及ぶ。「ユニバーサル伐倒機能」が左右各10度までの傾斜を自動補正し、地面と平行に、切り株の高さを20cmに揃えて美しく伐倒する。さらに「立体視映像システム」がオプション設定されており、専用メガネを装着すると車体の前後3カ所に搭載された計6個のカメラが連動し、オペレータが顔を向けた方向の3D映像が眼前に広がる。これにより、まるで機械の前で立って操作しているかのような臨場感をもって、安全かつ精密に機械をコントロールすることを可能にした。
「震災直後の2011年3月30日、まだ道すら整わない海岸沿いに4台のザウルスを持ち込んで復旧活動にあたった。その際、不眠不休で復興のために汗を流す地元林業者の姿に深く胸を打たれ、福島県にお返しがしたいとの一心で技術革新を続けてきた」と熱い胸中を明かした松本社長は、実演でシン・ラプトルⅡの機能を余すことなく披露。立木の伐倒と木寄せデモンストレーションでは、鉄履帯(クローラ)でありながら極めて低い接地圧を実現し、走行を繰り返しても土壌が固まるのを防ぐため、走行直後にそのまま植栽作業を行える仕様であること、遠隔操作システムは映像遅延を極限まで抑えることで、操作と映像のタイムラグによる違和感を完全に解消していることなどを説明。また、今回は標準のチェンソー仕様ではなく、新開発した2種類のナイフのうちロングタイプで実演を実施。「刃で押し切る方式のため、放射性物質が懸念されるエリアでも切り粉などの飛散を劇的に抑えられる」と、被ばく低減への優位性を語った。バックで登りやすくするため後方の駆動径を大きくするなど、技術革新を都度行っていることを説明した。同機を導入して安定的に1日50立方メートルの搬出ができれば、経営体としての投資コストは十分以上に回収可能だといい、「ハーベスタなどと組み合わせれば、1~2人のオペレータで年間1万立方メートルの集材から搬出までを完結することができる生産体制が現実のものとなる」と、採算性を提示した。
冒頭で林野庁国有林部業務課の岡村篤憲課長は「帰還困難区域における森林整備を本格的に実行していくステージに入ったなか、労働者不足を打破し、生産性を上げ、労働安全を確保する観点から同機のようなスマート林業機械は有効なツール」と挨拶。実演終了後の記者対応でも「遠隔操作が可能なシン・ラプトルⅡは、急傾斜地や危険な帰還困難区域の現場で、作業員を林業事故や放射線被ばくから遠ざけ、安全に伐倒・搬出作業が行える」と有力な手段として期待を示していた。
松本社長は「すでに実用化できている機械だからこそ、林野庁さんに選定していただいたと自負している。完成度を高める最終仕上げを今年中に成し遂げるつもりで、その一環として新型の刃物による実証試験を始める。さらに植栽機など各種アタッチメント展開も並行して進めていき、林業現場の安全と復興の実現に貢献したい」と、今後の展望と決意を力強く語った。
東日本大震災の発生から15年以上の歳月が流れた福島県の帰還困難区域において、森林再生に向けた動きがいよいよ本格的な再開段階を迎えている。長期間にわたって人の手が入らなかった人工林は、木々が生い茂る過密な密植状態となり、早急な整備が求められている。一方で、この地域には特有の深刻な課題が立ちはだかる。全国平均を大きく上回る相双地域の急激な林業従事者不足、急斜面での手作業に伴う高い労働災害リスク、そして空間線量の高さに起因する作業員の被ばく管理だ。こうした複合的な困難を打破し、安全かつ高効率な森林整備を実現するための切り札として、今回のスマート林業現地検討会が開催された。会場には約100名を超える事業体関係者が来場し、地元テレビ局などのメディアも取材に訪れるなど高い関心を集めた。その中で、実演されたのが、松本システムエンジニアリング(福岡県)のラジコン式伐倒作業車「シン・ラプトルⅡ」だ。
同機最大の特長は徹底した安全性の確保と高い作業効率の両立。オペレータは機体から離れた安全な場所から手元のコントローラーを用いて伐倒・搬送を実現。日本の複雑で厳しい林地に対応すべく、車体は上り30度、下り45度(登坂性能は45度まで)の急傾斜地に対応する。走行とシンクロする「スイング可変式アシストウインチ」を搭載することで、滑りやすい粘土質や急峻な斜面でも車体を強固に保持しながら安全に走行し、列状間伐や皆伐、その場旋回による確実な伐倒方向の制御を実現している。伐倒作業はボタンを1回押すだけで全自動で実行され、最大切断直径は60cmに及ぶ。「ユニバーサル伐倒機能」が左右各10度までの傾斜を自動補正し、地面と平行に、切り株の高さを20cmに揃えて美しく伐倒する。さらに「立体視映像システム」がオプション設定されており、専用メガネを装着すると車体の前後3カ所に搭載された計6個のカメラが連動し、オペレータが顔を向けた方向の3D映像が眼前に広がる。これにより、まるで機械の前で立って操作しているかのような臨場感をもって、安全かつ精密に機械をコントロールすることを可能にした。
「震災直後の2011年3月30日、まだ道すら整わない海岸沿いに4台のザウルスを持ち込んで復旧活動にあたった。その際、不眠不休で復興のために汗を流す地元林業者の姿に深く胸を打たれ、福島県にお返しがしたいとの一心で技術革新を続けてきた」と熱い胸中を明かした松本社長は、実演でシン・ラプトルⅡの機能を余すことなく披露。立木の伐倒と木寄せデモンストレーションでは、鉄履帯(クローラ)でありながら極めて低い接地圧を実現し、走行を繰り返しても土壌が固まるのを防ぐため、走行直後にそのまま植栽作業を行える仕様であること、遠隔操作システムは映像遅延を極限まで抑えることで、操作と映像のタイムラグによる違和感を完全に解消していることなどを説明。また、今回は標準のチェンソー仕様ではなく、新開発した2種類のナイフのうちロングタイプで実演を実施。「刃で押し切る方式のため、放射性物質が懸念されるエリアでも切り粉などの飛散を劇的に抑えられる」と、被ばく低減への優位性を語った。バックで登りやすくするため後方の駆動径を大きくするなど、技術革新を都度行っていることを説明した。同機を導入して安定的に1日50立方メートルの搬出ができれば、経営体としての投資コストは十分以上に回収可能だといい、「ハーベスタなどと組み合わせれば、1~2人のオペレータで年間1万立方メートルの集材から搬出までを完結することができる生産体制が現実のものとなる」と、採算性を提示した。
冒頭で林野庁国有林部業務課の岡村篤憲課長は「帰還困難区域における森林整備を本格的に実行していくステージに入ったなか、労働者不足を打破し、生産性を上げ、労働安全を確保する観点から同機のようなスマート林業機械は有効なツール」と挨拶。実演終了後の記者対応でも「遠隔操作が可能なシン・ラプトルⅡは、急傾斜地や危険な帰還困難区域の現場で、作業員を林業事故や放射線被ばくから遠ざけ、安全に伐倒・搬出作業が行える」と有力な手段として期待を示していた。
松本社長は「すでに実用化できている機械だからこそ、林野庁さんに選定していただいたと自負している。完成度を高める最終仕上げを今年中に成し遂げるつもりで、その一環として新型の刃物による実証試験を始める。さらに植栽機など各種アタッチメント展開も並行して進めていき、林業現場の安全と復興の実現に貢献したい」と、今後の展望と決意を力強く語った。





