ササキコーポレーション「超耕速アクティブロータリー」実演レポート|導入事例も紹介
近年の農業現場では、資材費の高騰や人手不足などの課題が山積している。こうした中でササキコーポレーションの「超耕速アクティブロータリー」が注目を集めている。今回は〝じれったい耕うんを早く綺麗に進めたい〟栃木県市貝町赤羽地区の横田雅司さん(58歳)が田植え前の4月25日に体感。あまりの速さに「居眠りする暇がない!」と笑みがこぼれた。
ササキコーポレーション=佐々木一仁社長、青森県十和田市大字三本木字里ノ沢1―259=は超耕速シリーズの体感会を各地で開催。関東営業所管轄でも希望があれば積極的に行っている。横田さんもその一人。今年春の展示会で近隣農家が超耕速シリーズを購入した際に〝本当にいいの?〟と質問したところ、同社担当者が〝ではやってみましょう。ごり押しはしません。とにかく見て評価してください〟とのやり取りから実施することとなったそうだ。
横田さんは30町歩の面積で米と麦を生産。繁忙期を除くと作業は2人で行っているといい、その面積も増加中とのこと。そのため頼りにしているのが機械力で、土地改良を行って1枚のほ場も広くなり、機械の能力が存分に発揮できる条件も揃い、〝耕うん作業を早く綺麗にできないか〟と考えていたそうだ。「5月1日には田植えに取り掛かりたいけど、雨が降ると間に合わなくなってしまう。今の時期のように田植えまで日にちがない場合はどうしても速度を上げたい。今持っているロータリは2~3㎞での作業だが、5.5㎞と倍のスピードで進められるなら非常に助かる」と横田さん。ロータリは2.4m幅をメインに使っているといい、今回は同じ作業幅2.4mのACE245RLを体感し、作業スピードや仕上がりについて見ることとなった。
前日に雨が降り、当日も雨が残る曇天模様の中、 担当者からの説明を聞き、地元JA関係者も見守る中で6町歩のほ場で速度を試しながら3往復。開口一番「居眠りする暇もないぐらい速い!」と明らかに違うスピードに笑みがこぼれた。
超耕速アクティブロータリーは、ほ場条件にもよるが最高時速5.5㎞/hの高速耕うんを実現。その一つがササキ独自のCK爪と新オーバーラップ配列。これにより砕土性と反転性を確保。高耐久構造と土の付着を防ぐバイブロカバーで馬力ロスを抑えつつ効率的な作業を可能にしている。
耕うん作業に関して、近年では各種製品が登場しているが、曇天または雨降り後では土を抱え込んだりして上手くいかないとのこと。「ロータリをかけた方が水持ちするので、代かきがうまくいくけど、ロータリはゆっくりしか作業できずじれったい。だから今回試させてもらった」と横田さん。枕地付近は1速下げて4.3㎞まで下げたが、真ん中付近は5.5㎞で走行。「さっきまで別のトラクタで6~7㎞出してバーチカルハローかけたんだけど、それよりも速く感じる。今使ってるロータリなら3反歩で30~40分かかるけど、これなら20分で済むと思う」と驚き、「ゆっくりタバコ吸っている時間がないから健康にもいいね」と笑いを誘った。
時間が短縮できれば燃料代も節約できる。横田さんはロータリ作業時には1日で100ℓ消費するとのこと。昨年からコメの価格は高く経営的に一息つけたが資材は依然として高止まり状態。軽油代も馬鹿にならないだけにこの点も評価。「こっちの燃料を減らせて自分の燃料(晩酌)が増やせるなら願ったり叶ったりだね」と笑った。
その後も数日借りて試した横田さん。電話で伺うと「作業時間は今使っている機械の半分近くで済む。速い上に田のワラも細かくなって綺麗で、多少湿っていても土があまり持ち上がらない」と気に入った様子。クッションが効き快適な環境で作業できる大型トラクタ向けモデルについてリクエストしていた。
超耕速シリーズは他に、代かき機「マックスハローエース」、リバースあぜぬり機「カドヌールエース」をラインアップ。アクティブロータリーは今回実演したACE245RLのほか、作業幅2.2m・同2.0mモデルがあり、希望に応じて体感会を行うとのこと。