スマート農業技術活用促進法の施行から半年、生産方式革新・開発供給計画の認定が加速
スマート農業技術活用促進法が昨年10月に施行されて半年以上が経過、同法を根拠とした制度である生産方式革新実施計画、開発供給実施計画の認定が着実に増えている。4月30日時点で生産方式革新実施計画は計27件、開発供給実施計画については、17件が認定を受けており、これらを足がかりに更なるスマート農業技術の普及が期待される。なお、開発供給実施計画については、17件のうち、キャベツ自動収穫機など9件が4月25日付で追加となっている。
スマート農業技術による農業の生産性向上を加速させるため、スマート農業技術活用促進法が昨年6月に成立、10月施行された。同法では、農林水産大臣による生産方式革新実施計画、開発供給実施計画の認定を受けることで、日本公庫の長期低利融資や行政手続きの簡素化などの支援措置を受けることができる。
同法成立から約半年が経過。計画認定が着実に積み上がってきている。
生産方式革新実施計画は累計で27件認定。一方、開発供給実施計画については、4月25日に新たに9件が認定され、累計では17件となった。
今回は、ヤンマーアグリがキャベツの自動収穫機で認定。従来よりさらに少ない人手での自動収穫を可能とする、自動操舵システムや掻き込み部の自動高さ調整機能を搭載したキャベツ収穫機の開発及び供給を進める。計画の実施期間は5年間。
このほか、今回認定を受けたのは次の通り。社名は申請代表者。
▽エアロセンス=異なるメーカーのセンシング機器や散布ドローンで利用可能な標準的な出力を可能とするシステムの開発及び精度が高い可変施肥を可能とする生育マップを提供するサービスの供給▽ビジョンテック=気象データ等から雑草の出芽動態等を予測する技術を活用した、有機大豆における除草回数の削減に資する除草適期診断アプリの開発及び供給▽東京ドローンプラス=果樹や露地野菜の農薬散布にかかる労働時間の削減に資する、高出力噴射システム等の機能を有した農薬散布ドローンの開発及び供給並びに当該ドローンを用いた全国的な農薬散布代行サービスの提供▽アイ・モビリティプラットフォーム=果樹栽培における農薬散布車両(スピードスプレイヤ)に後付け装着が可能な無人運転装置、作業履歴の自動記録システム及びデータ解析支援技術の開発及び供給▽デンソー=房取りミニトマト全自動収穫ロボットの国内向け仕様、機能等の改良、ロボットの収穫率を向上するための最適栽培方法の開発及びこれらの供給▽三井金属計測機工=イチゴの位置と向きをAIにより自動判定し、果実を傷つけない独自のロボットハンドを用いて重量別に仕分け、自動でイチゴの向きを揃えてパック詰めを行う選別装置の開発及び供給▽INS=IoTセンサーを用いたシイタケの菌床栽培における栽培環境の自動制御システム及びスマートグラスを活用した作業効率化ソフトの開発及び供給▽山形東亜DKK=畜産業における排水処理施設管理を省力化する、排水中の生物化学的酸素要求量(BOD)を迅速に推定し、遠隔で処理状況の確認及び適切な排水処理のための設定を可能とするシステムの開発及び供給。