農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

受付時間 平日9:30~17:00

TEL 03-3831-5281

毎週 火曜日発行
 >  > 農研機構農業機械研究部門が「農業機械技術クラスター総会」を開催  両正条田植機の技術革新

農研機構農業機械研究部門が「農業機械技術クラスター総会」を開催  両正条田植機の技術革新

農研機構農業機械研究部門が「農業機械技術クラスター総会」を開催  両正条田植機の技術革新
農研機構農業機械研究部門(農機研、長﨑裕司所長)は3月7日、埼玉県さいたま市の同部門はなの木ホールで令和6年度農業機械技術クラスターの総会を開催した。
 はじめに長﨑所長が挨拶。「労働生産性の向上や生産者の労働負担の軽減、環境負荷低減、農作業の安全の確保などに関する技術開発を、スピード感を持って進め、いち早く社会実装につなげることが重要となる。そうした社会実装のツールが、農業機械技術クラスター事業だ。今年度で7年目となるが、これまでに32課題が完了している。こうした課題の立ち上げにはいかに地域ニーズを拾い上げるかが重要。ぜひご提案頂きたい」などとした。
 その後、令和6年度の活動報告、7年度の方針などが紹介。令和7年1月1日現在で登録団体は172組織、238人が参画しており、令和6年度は計11課題を実施。うち5課題が今年度完了を迎えるが1課題(現場改善による農作業安全の実証研究)については1年期間が延長された。また、令和7年度上期については、今年度事業が完了した両正条田植機について、①ポット苗仕様両正条田植機と直交機械除草を核とした水稲有機栽培体系の実証②マット苗仕様両正条田植機の実用化モデル開発及び直交機械除草を核とする水稲有機栽培体系の実証――の2つの実証の委託先の公募が行われた、などとした。
また、標準化・共通化推進委員会で取り組んでいる農機APIも報告された。農機API共通化コンソーシアムの標準化活動は2023年度で一旦終了。しかし、データの利活用が生産現場で定着していないことから、コンソーシアムで作成したAPI標準仕様を使ってもらうこと、技術等の進展に合わせ改定、管理することが必要なことから、委員会のなかに維持管理を行う協議体を設置した、などとした。
 また、令和6年度で事業が完了する「雑穀類対応コンバインの開発」「両正条植田植機の開発」「かんしょの作付け拡大を支援する高能率収穫体系の開発」「ヤマトイモ収穫作業機械化体系の開発」の4件の成果も報告。
 このうち、両正条田植機は、水稲有機栽培で課題となる雑草防除について、機械除草で除草率が落ちる株間の除草を効率的かつ効果的に行えるよう、直交機械除草が可能なよう、条間、株間が等距離に植え付けられるもの。自動直進機能を有するポット苗及び車体が共通のマット苗田植機をベースとしてECUなどを追加するなど改良を行い、開発目標と設定した植付け位置精度±3㎝以内をポット苗、マット苗ともに実現した。
 なお、総会後にはこれら4件の開発機の展示・実機説明も行われた。

関連記事

AGRI EXPO新潟 ㉖年2月朱鷺メッセで初開催 

国際農機 作業時の不便解消に 実用的農機パーツを発売

国際農機 作業時の不便解消に 実用的農機パーツを発売

クボタ、大阪・関西万博2025で「未来の食と農」エリアを展示|汎用プラットフォームロボットがスマート農業の未来を描く

クボタ、大阪・関西万博2025で「未来の食と農」エリアを展示|汎用プラットフォームロボットがスマート農業の未来を描く

サタケ、「KOMECT(コメクト)」を第3回九州農業WEEKに初出展|DXを活用した次世代型生産支援システム

サタケ、「KOMECT(コメクト)」を第3回九州農業WEEKに初出展|DXを活用した次世代型生産支援システム